短編集1 (ページ1)

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5秒後(夏目) ページ1

「…こら夏目起きろ！！！」

飛んでくるチョークをかわすのが私の日課。
私の後ろの席で寝ている彼に目掛けて先生はいつもチョークを飛ばす

『いたいっ！！ノーコンめー！』

「あ、すまないA、夏目を起こしてくれ」

『もー夏目くん！起きて起きて！起きてったら！』

「……ん…」

『ほら見て
夏目くんが中々起きないから私の頭はチョークの欠片だらけなのよ！』

「あ…すまなかったな、A」

ちょっと申し訳なさそうに笑って彼は私の頭の上のチョークを大きな手で払った

「綺麗な髪が台無しになる所だった。ごめんな」

ニッコリ、影のあるような微笑み。

『別に綺麗…じゃ、ないよっ…てかいつまで撫でてるの！』

「あ、ごめん」

『夏目くん謝ってばかりね』

「……ごめん」

『もー、ちゃんと授業聞かなきゃ駄目だよ？』

「Aだって聞いてないじゃない」
『笹田さま…』

「ははっ、おれも後ろからいつも見てるけど外眺めてばかりだよな」

『……夏目くんてさ、罪作りな奴だよね///』

「罪作り…？」

『何でもない！』

この天然口説き文句をかます夏目と、私にミサイルチョークが飛んでくるのは、あと5秒後の話。

꙳★*ﾟ痛いです先生！む、胸が…꙳★*ﾟ