逢えたらいいね【短編集】 (ページ3)

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kgm : 眠れない夜は嘘ページ3

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欠伸を1つ噛み殺す
毎週、楽しみにしているドラマを見終えて、明日の仕事のスケジュールチェック
朝イチの会議以外は大きな予定は無いので、特に午後からは、ゆったりと通常業務をこなせそうだ

ふーっと一息つくと、じわじわと襲う眠気
時計は22時30分を少し過ぎたところ
傍らに置いておいたスマホをタップする
画面には時計と同じ、22時30分を少し過ぎた22時34分と映し出されただけだった

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歯を磨き終わると、又でた欠伸を1つ今度は噛み殺すことなくふわーぁとする
そして、履いていたルームソックスを洗濯機の中へ放り込みながら脱衣所を後にした

迷うことなく向かうはベッドの上
寝室の電気を付けることなくベッドの上に乗って、手探りで充電器を探す
無事に見つけ出した充電器をスマホに刺すと、ピカっと光った画面が眩しい

22時48分

寝るにはいつもより早いけど、今日は1日バタバタと動き回っていたので、眠い
横になって目を瞑れば、そのまま眠りについてしまいそうなくらいに

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デスクの上に、置かれた時計を見る

23時07分

トラブルというのは、決まってまとまってやってくる
本日のトラブル、3件まだマシな方だ

あと少しだけ
訂正資料に目を通して、最終確認をさるのみ
1時間もすれば終わるだろう
でも、現時刻から1時間後となると、もう日付が変わる時刻

『も、しもしぃ』
「その声は寝てました？」

起こしてしまいましたね、すみませんと、いつもこの時間にはまだ起きていると思い込んで、彼女が眠っている可能性を考えず、電話をしてしまった自分を悔いた

『寝てないです！起きてました！』
「それなら良いんですけれど」

私の謝罪に、今日は特に寝付けなくてと明らかな嘘をつく彼女の声は、未だに少しだけ眠気を含む

『加賀美さんは、お仕事終わりました？』
「はい、今終わった所です」
『お疲れ様です』
「ありがとうございます」

Aさんもお疲れ様と言うと、ありがとうございますと返ってくる
ただそれだけ
ただそれだけの会話をする為だけに、私は仕事が終わったと嘘をつく

「ゆっくり寝てください」
『加賀美さんは気をつけて帰ってくださいね』

おやすみなさいと言い合って切れた通話
おやすみなさいと通話の切れたスマホに向かって、もう1度つぶやく
いい夢を見てくださいと付け足して、彼女の声を聞いただけで軽くなった単純な自分を笑いながら、資料に手を伸ばした

ᴛʜᴀɴᴋ ʏᴏᴜ！リクエスト

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