愛とか恋とか《短編集》【 sh 】 (ページ14)

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「……ねえ、慎ちゃん " 分かるわけねーだろ " だって」
「そっかあ」
「そっかあじゃないよ、誰と飲んだの！」
「じん」
「慎ちゃん関係ないじゃん！」

慎太郎は?分かるわけねーだろ笑

Aだよね?ごめんね?

慎太郎そういうときだけ俺の名前出すんだよ、あいつ

A強く言っておきます

そりゃ怒るわけだよ。そのまま今度は携帯ごと奪われた。

「れんらくとらないで」
「慎ちゃん怒ってたよ？」
「しらん」

唇を尖らせて私の携帯を太ももに挟んだままシュンっと反対側を向いてしまった紫耀。酔っ払ってるくせに
こういうところは無意識で反応するの？

「……ごめん」
「え？」
「自分がダサすぎて引く」
「引かないよ」

酔いが覚めてきたのか呂律が回り始めた紫耀の本心が見えてきた。サプライズで私に会いに行こうと思ってたときに、急遽仕事が入って、全部嫌になっちゃったんだって。いつも自分の弱さを絶対に見せない紫耀だからこそ、抱えてる荷物は私にも預けてほしい。好きな人には迷惑をかけてほしいものだよ。

伝わるように、ひとつだけ。

「もっと甘えてよ」

再びグイッと抱き締められて耳元で聞こえた「好き」の２文字。
「私も」と返せば、優しく触れる唇。
胸を焦がすような甘い言葉も、熱いキスも、私だけの特権。

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