stpr短編集

さとみくん 第1話 ページ40

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夢主side.


｢好きです…っ、付き合ってください…！｣


いつも通りの帰り道

平穏な日々が続く中、家の前では非日常が………！？





…と、言いたい所なんだけど…

こんなのは日常茶飯事

告白現場を目にするなんてそんなに珍しい事じゃない

いつも通り電柱の影に隠れれば

一息吐いてスマホを弄る

でも、私の中で最近流行ってるのは…


ｶｼｬ…


音が聞こえない距離からの“盗撮”


はぁ…

告白なんて見過ぎで正直飽き飽きしてる


家の前で告白されるなんて…

“アイツ”もいい加減にしてほしいよねっっ！


そして彼は決まってこう言葉を残すのだ


さとみ｢ごめん…

君のこと、そういう風に見た事無くて…

正直びっくりした…

でも、嬉しいよ…ありがとう。

気持ちだけ受け取っておく｣


合わせてコメント出来てしまいそうな程、

毎回毎回同じ言葉。


ほんっと…！

女の子に対して失礼なんじゃない！？

そんなにモテるなら彼女でも作ればいいのに！！

んー…

でも、あの“さとみ”だからなぁ…

あんなに告白されてるのに

今までに“ノー”という返事しか聞いた事ないんだもん

誰かと付き合う…だなんて

全く想像がつかない。



…って、何アイツのこと気にしてんのよっ//

どうでもいい事じゃない…っ、


やば…

私…へん…？？

いやいやいやっっ、そんなことない…っ！

この感情は…

そう！

“姉として”だよね！？

弟の恋愛状況も気になるっていうかぁ〜っ、


ｺﾞﾂﾝｯｯ!!!


A｢い……っったぁ…！！何すんのよっっ！｣


急に頭に衝撃が落ち、涙目で彼を睨みつければ

長い切長の大きな瞳に思いっきり反発される

ってか、いつの間に遣り取り終わってた！！？


さとみ｢お前が百面相してるからだろ

人の告白現場をコソコソと…

盗撮までして、悪趣味な奴｣

A｢う…っ、バレてた…

でも待って！百歩譲って盗撮してた私が悪い…っ！！

でもね！こっちの身にもなってみなさいよ！！

アンタのせいで毎回毎回家に入れない！

大好きなドラマの時間にだって間に合わないのよっ!?｣

さとみ｢お前のドラマは知らねーよ

告白も碌にされた事ない奴に言われたく無いわ｣


ｶｯﾁｰﾝｯ!!


A｢はぁぁぁ！！？頭きた！！

私だってね！アンタと同じ血が流れてるんだから

それなりにモテるのよ！？

ましてや私達、“双子”じゃない！！｣


そう、私達は双子という名の腐れ縁

ちゃんと血が繋がっている姉弟なのだ


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