【続き】 ページ27
トクントクンと鳴る心臓を胸の上から手を添えると
振動がちゃんと伝わってくる
呆然とし涙も出ないまま手紙を読み終わるとそっと閉じ封筒に戻す
封の部分を下にしベットに置くと裏側に
“携帯のパスワードは『0922』だよ”
そう書かれていて
「もう開けちゃったよ」
声を出すと同時に視界がぼやけ布団を濡らしていく
手が震え息が上がり目元を拭いても拭いても止まる気配がない
「如恵留、なんで、、」
手術が終わってリハビリ頑張って、自分から如恵留に会いに行こう
そう決めていたのに
「もう、会えないじゃん、自分勝手だよ、」
涙は止まることを知らない
手紙に添えていた手をベットに着くと手に当たる硬い感触
振動でまた付いた携帯の画面には
ロック画面に設定された如恵留と俺の幸せそうな顔した写真
携帯を手に取りパスワードを解くとさっきと同じメール画面が表示され
ホーム画面に戻ると
「少な、」
アプリの数の少なさに驚く
多分預ける前に消したんだろうな
残ってたのは全て俺に関する情報が入ったアプリだけ
写真フォルダやメール、SNS全般と初期設定で入ってたアプリ
とことん如恵留らしくて思わず笑った
涙が止まる気配はまだない
写真フォルダを開いてもSNSを開いても
如恵留の携帯には俺ばかりが映されていた
「如恵留、、」
もう一度胸に手をやる
さっきと変わらない心臓からの振動が感じられた
外に出られるようになったらこの如恵留の携帯で自撮りを沢山しようかな
そして少し遅くなるかもしれないけど
ケーキを２つ買って俺らがひとつになった日を誕生日としよう
まぁ、食べるのは俺1人になるけどさ
でも俺の中にいるからふたりで食べてることになるよね？？
あ〜、、
当分立ち直れる気はしないけど
だけど、如恵留がくれたこの心臓で
胸を張って生きようと思う
「如恵留、、一緒に沢山の景色を見ようね」
そう心に決めて
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H、H(プロフ) - すのめめのBL読みたいです！ (2022年8月29日 21時) (
レス) id: 6484f6fe2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪田です | 作成日時：2021年10月5日 16時
