ただの短編集【J・Jr】 (ページ24)

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【続き】ページ24

どのくらい眠っていたのか

眩しい光に眉を潜めながらゆっくりと瞼を開ける

動かない頭で精一杯周りを見渡すと
目に入って来たのは看護師さんと手術を担当してくれた先生の顔だった

看護師「宮近さん、起きられました」
医者「おはようございます、宮近さん、
ご体調はどうですか？」
「たいちょ、」
医者「大丈夫ですよ、ゆっくりでいいですからね」
「今は、大丈夫、だと、思います、」
医者「なら良かったです
手術は無事成功しましたからね」
看護師「今日からしばらくは安静にしてくださいね」

頭が働かない中、精一杯の力で答え
瞼が重く寝そうになりながらも口を動かす

看護師「今日はもう寝てくださいね〜」
「はい、」

そう言われ2人が部屋を出ていく音を聞きながら眠りについた

〜
次に目を覚ました時

どのくらい眠っていたのか分からない

ただ傍には
忙しいはずの両親が俺の手を握っていた

「か、かぁさ、とぉ、さ、」
母「海斗、！起きたのね」
父「海斗、、良かった
直ぐに来てやれなくて本当にごめんな」
「ううん、、い、そがしいのに、ありがと」

まだ声を発するのがやっとな口で
ゆっくりと言葉を紡ぐ

母「ほんとに生きててくれてありがとう」
父「かゎ、っと、ドナー提供してくれた人のおかげだな」
「、？うん、そ、うだ、ね」

父さん、なんか言おうとした？

そう言いたかったけど、まだ言葉を発するのが苦手な俺は
中々言葉が口から出ず諦める

また聞こう

手術は成功したのだから、聞く時間くらい沢山ある

母「まぁ、とりあえずはゆっくり体休めてね
新しいものに体も慣れていかないとだし」
「うん」
父「ある程度したらリハビリもしないといけないからな
休めるうちは休んでおけ」
「わか、てる、よ。だいじょ、うぶ、
ありがと、ね」

ふと窓の方を見ると光は入ってきておらず
夜が老けていることを知らせてくれていた

「もうよる、遅い、し、2人も、今日はゆっくりして」
父「そうだな。」
母「そうね
また来るから、連絡するわね」
「うん、待ってる、よ」

少しずつ喋りやすくなってる声でそう言うと

2人は荷物をまとめ席を立つ

「じゃ、またね」
父「またな」
母「安静にするのよ」
「うん。分かってるってば、笑」

母は心配そうに
父は安心した顔で病室を出て行った