ただの短編集【J・Jr】 (ページ21)

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【25ｺ目の染色体】ちゃかのえ【BL】ページ21

・ボーイズラブ有
・病気描写多々(私自身専門的な事は分からないので、事実とは異なる方法での内容になります)
・どんな内容になっても許せる方のみご覧下さい
・裏描写無し
・1部「25ｺ目の染色体」という曲を参考に書いています
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右手に感じるこの温もりを

いつまで感じていられる事が出来るのだろうか

「如恵留はさ」
『ん？』

優しいこの声をいつまで聴けるのだろうか

「この俺の病気が治ったら何したい？」
『ん〜、ちゃかちゃんと外の景色を同じ写真に映したいかな』
「んふ、なんだそれ笑」
『いいでしょ？笑』
「まぁ、治ったらね。」

少し声のトーンが落ちた俺を心配して

『ちゃかちゃん、大丈夫だよ』

そっと抱きしめてくれるのはいつまで

あの日

心臓に急な激痛が走り倒れ
傍に居た如恵留に病院へと連れて行ってもった日

かなり進行してしまった病気だと告げられ
絶望で目の前が真っ暗になった

ドナーが見つからない限り治る事は無いと医者にキッパリ言われそのまま入院

あれから数ヶ月が経とうとしていた

あの日から如恵留は変わらず毎日見舞いへ来てくれた

他の人は皆ワレモノを扱うかのように俺に接する

“大丈夫だよ、きっと治るから”
“ちゃかならきっと大丈夫”

根拠の無い《大丈夫》を何度も言われもう散々

だけど、比べるようで悪いが

如恵留は違った

まじで変わらない

そして何故か如恵留の言う《大丈夫》だけは
凄く真摯に受け止められた

根拠はきっとない

だけど何故か説得力ある

「如恵留はさなんで大丈夫だって思うの」

つい聞いてみたくなった

『えぇ？笑
んっとね、俺も根拠無く大丈夫って言ってる訳では無いんだよね笑』
「なんか根拠あるって事？」
『そう笑
何とは言えないけどね笑』
「そこが1番知りたいところだわ笑」

更に分からない

ほんと変わらないのに変わってる

ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗ

看護師「失礼します
あ、川島さん、今日も来てくださってたんですね」

如恵留と話していると担当の看護師さんが部屋に入ってきた

『お邪魔しております』
看護師「来て頂いているところ本当に申し訳ないのですが、宮近さん、先生がお呼びです」
「先生が？」
『行っておいで
俺はまた明日来るね』
「うん、分かった
また明日」

定期的に先生とは話す

病気の進行具合や治療法、これからの事

不思議には思わなかった

だからいつもの様に車椅子に乗り先生の元へと向かった