ただの短編集【J・Jr】 (ページ11)

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【続き】ページ11

テレビを付け適当にチャンネルを回し
お酒を片手にツマミを食べ
ある程度落ち着いてきたくらい

「そういやさ」
『ん？』

テレビから目線を海斗に変え喋り始める

「海斗って彼女とかいんの？」
『なに、急に笑』
「あんま聞いた事ないなって思って笑」
『確かに言ったことないかもね』

海斗もテレビから俺へと目線を変えどこか気まずそうに笑う

「いた事はあんの？」
『彼女？』
「うん」
『あ、るかな』
「今は？」
『居ない笑』

こういう系の話は苦手なのだろうか

珍しく話が盛り上がらない

「ちょっと煙草吸ってくる」
『おっけい
テレビのチャンネル変えてもいい？』
「うん、適当に見てて」

久々に少し気まずくなった

なんか分かんないけど
これ以上聞いちゃいけない感じがして

逃げるようにキッチンの換気扇の前に立つ

換気扇を付けると当たり前に大きい音がなりテレビの音が聞こえなくなる

キッチンから見える海斗はなんだか寂しそうで申し訳ない

箱から煙草を1本出してカチッと音を立て火をつける

息を吸うと感じる煙草の味
息を吐くと白く濁った息が換気扇に吸い込まれていく

「不味い」

なんでこんなの吸ってんだろう

ただの叩禛なんだろうな

特に何も考えず携帯をいじりながら煙草を吸ってる俺の事は
海斗が自分を見つめてたなんて分かりもしなかった

「ふぅ、」

あまり長く吸ってるのも海斗に悪いと思って
いつもよりは少し早めに切り上げようと
灰皿に煙草をグリグリも押し付け海斗の元に戻る

定位置に座ると

『早かったね』

と微笑み笑う海斗

「なんか飽きた」
『飽きた？笑』

よく分からない言い訳に呆れてる

テレビに視線を移すと流れてるドラマ

「目黒くんと道枝くんのじゃん」
『話題になってるよね』
「うん、よく聞く」
『元太さ、』
「ん？」
『ちょっと前、目黒くんのモノマネ？ハマってなかったっけ？』
「あ〜、めっちゃやってた笑」

首に手を添わせるやつね

確かにハマってたな

『曲中とかもしてたしね』
「してたしてた
その節は、、」

謎にテレビの目黒くんに向かってペコってして

『何それ笑』

って海斗に笑われる

『なんか、同性愛のお話
大倉くんとかキンキさんとかもしてたよね』
「してたの？」
『そう
大倉くんは映画？かな
キンキさんは結構前のドラマかなんかだったと思うんだけど』
「へ〜、詳しいね」
『まぁ、うん、そうだね』

ドラマを見ながらそんな会話