短編集３

・ ページ23

・○○ side






ﾊﾞｸﾊﾞｸﾊﾞｸ。




うるさいくらいに心臓が鳴っていて




この後のことを考えると緊張から手が震えてしまう。






ぎゅっと、目をつぶって俯いた時







「○○さん……だよね？」






低くて優しい声が聞こえた。









顔を上げて、"刹那さん"を見つめる








刹那「デートっぽいことしたいって書いてあったけど⋯何か憧れとかある？」






"○○ちゃん"そう呼ぶ声に少しだけ、胸が高鳴った








刹那「ん？」

『あ、……ぃや、その……』

刹那「ふはっ、ええよ？言ってみ？」

『その……カッコイイなぁって、思って……』






さすが。デートセラピストをしているだけある。




すぐ隣を歩く整った顔立ちは、

しばらく男性と距離を置いていた私には眩しすぎた。






刹那「っ、！……そんな真っ直ぐ褒められたら照れるわ笑」


"でも、ありがとうな？"






『……刹那さん、って……関西出身なんですか、？』

刹那「え？」

『いや、関西弁が⋯』

刹那「あぁ。そう、大阪出身で⋯。デート中は関西弁出ないようにしてるんだけど、ごめん」

『えっ、いや……全然その……』

刹那「ぅん？」







刹那さんは話しやすい。



それは刹那さんが纏う雰囲気からなのか、


優しく話を聞こうとしてくれる声色なのか。







『好き、です、、関西弁⋯』

刹那「っ、そっか。じゃあ関西弁使わせてもらうな」








男の人相手に、こんなに本音が話せたのは初めてだった。

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