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「…そんなに拒否しなくても…」
「…え?」
脳内のホラー映像(?)に怯えてると、俺に寄りかかってたいのちゃんがもそもそと起き上がって、“…そっか、やっぱり無理なのか…”と呟きながら寝室に向かった。
なぜかしょんぼりとした後ろ姿。怒られた子犬っぽい。
子犬っていうか、やっぱネコちゃんかな?
…ん?ネコちゃん、って…
ハッとした。
ひょっとして、いやひょっとしなくても、俺めちゃめちゃKYだった?!
「っ、いのちゃん!!」
とりあえず寝室にダッシュ。そして布団の中にいる不貞腐れてるネコちゃんを力いっぱい抱きしめる。
「…なにぃ…?」
「ハグしよ!」
「なんでぇ?」
「だってネコをハグする日でしょ?」
顔を隠してる布団をめくったら、とろーんとしたお目々と少し尖らせてるお口が見えた。
「ほら、可愛いネコちゃんいた〜」
「…光、ねこ嫌いでしょぉ…?」
「好き!このネコちゃんはめちゃくちゃ好き!飼います!ぜひ飼わせていただきます!!」
バカみたいに叫んでぎゅーといのちゃんを布団ごと抱きしめたら、胸辺りからんふふって笑い声が聞こえた。
「それは、嬉しいにゃ♡」
また目線を合わせて、笑って、そっとキスをして。
ちらっと時計をみると、ちょうど日付が変わる瞬間だった。
ネコをハグする日、最高かよ。
同棲生活、最高かよ!
-fin.
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作者名:yoku | 作成日時:2020年8月16日 11時