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4、おみやげ ページ16

(上杉side)



 サッカーKZで、大阪での三日間の遠征試合があった。













 新幹線の中、移りゆく景色を眺めながら、黒木と喋る。



「なんでわざわざ大阪まで行くんだよ……」



 早朝からの移動で、強い眠気に襲われている俺は、めちゃくちゃ不機嫌。

 そんな俺を見て、黒木は僅かに笑った。



「睡眠不足の人はキレやすいってマジなんだな」

「るせ」



 もうすぐ冬休みが明けて実力考査があるから、その勉強をしてたんだっ。




「まあ、全国屈指のチームがそろって集まってるみたいだからな」




 そう言った黒木が、少し遠くに視線を投げた。




「ほら、若武の目立ちたがり病が」




 つられてそちらに視線を投げると、若武が腕を振り上げて、近くの奴らになにやら熱弁していた。


「今回の試合で全勝すれば、俺らの名前も世に知れ渡るってもんだぜ!!」


 
 ……あんのバカ武が……。

 思わず頭を抑える。




 本当に知れ渡ってほしいのは、KZの名前じゃなくてお前個人の名前だろ、どうせ。




「ぶれないよな、あいつ」




 苦笑する黒木は、どこか羨ましそうな眼をしている。


 ………。





「ぶれなさすぎなんだよ。あんなやつ、一回痛い目見ればいい」


 そう言い放った俺に、黒木は苦笑した。



「実際は思ってないだろ、そんなこと」



 ………

 まあ、一回トップ下から転落したあいつだからな。
 さすがにあいつの努力は認めてる。







「んなことより、3日目は全チームで合同練習ってマジかよ」

「ああ、らしい」



 うわ、
 あの鬼監督、殺す気か……。


 あからさまなめ息を漏らした俺に、黒木はまたも苦笑。



「でも、4日目にはご褒美が待ってるらしいぜ」



 は?



「どーせしょうもない事だろ」



 顔を顰めると、黒木がニヤッと口角を上げた。



「それがね……」




 耳元に口を寄せてくる。


 俺は、その言葉を聞いた後、本気で唖然とした。





「………まじでっ?」



*→←あとがき



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イズミ - 黒木君が泣くという発想がわたしにはおもいうかばなっかたので、すごいとおもいます。 (2023年3月13日 18時) (レス) @page12 id: 6ccf209779 (このIDを非表示/違反報告)
イズミ - アーヤが7人で見たらぎゅうぎゅうだよ。って言った後、「アーヤ最強。」と言われているのも面白かったけど、どいう意味かアーヤが分かっていないのが面白かったです。 (2023年3月13日 18時) (レス) @page6 id: 6ccf209779 (このIDを非表示/違反報告)
ずず(プロフ) - わ、待ってます! (2019年1月6日 0時) (レス) id: 054a7adbe3 (このIDを非表示/違反報告)
花畑(プロフ) - ずずさん» 了解です(笑)次の「誰も知らない物語3」で書かせていただきますね!いつになるかは分からないですが…その時はよろしくお願いします。 (2019年1月5日 21時) (レス) id: e150cc9add (このIDを非表示/違反報告)
ずず(プロフ) - 大丈夫です、嬉しいです!あ、いや、受け取らなくてもいいですよ…? (2019年1月5日 20時) (レス) id: 054a7adbe3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花畑 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年11月21日 15時

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