☆防人パロ リヴァイ(蒼李ver) ページ17
『唐衣裾に取り付き泣く子らを置きてぞ来のや母なしにして。
(防人歌)』
(訳:衣の裾に取り付いて泣く子供たちを置いて来てしまった。母もいないのに)
『……だが、恋人はいる。
(Byリヴァイ)』
時は平安。農民のリヴァイは、我が身ひとつで、ある場所に向かっていた。
大宰府である。
リヴァイは防人として、大宰府に向かっていたのだ。
「……あいつら…」
例え防人になろうと、資金や食は何も配給されない。
元々裕福では無いリヴァイは、何も持たずに家を出たのだ。
…ひとり息子と、恋人を置いて…
リヴァイの家にいる女。名をAといった。リヴァイの愛人である。
そして、
「Aー」
「おはよう、エレン」
リヴァイの息子をエレンといった。今年で四歳になる。
リヴァイはエレンの世話を、母の代わりにAに任せて家を出たのだ。
エレンは厨房に立つAの着物の裾を引っ張った。
「とーさんは?」
「んー…お父さんはねぇ…」
正直、この質問にはつまずいてしまう。
防人のために九州に行って、三年間戻って来ない。無事に帰ってくるかもわからない。
そんなこと、まだ四歳のこの子に誰が言えるだろうか。
「…お出かけしちゃった」
「えー」
Aはエレンの頭をぽんと撫でた。
リヴァイが身寄りの無いエレンを引き取って三年。そのころから付き合っていたAも面倒を見ていた。
「さ、エレン。今日は都の市にでも行こうか」
「うん!」
エレンは無邪気に笑った。
Aはその笑顔に、心を傷めた。
買い物から帰ってきたAは、さっそく庭の作物の世話をした。
「…よいっしょ……」
重いくわを高く振り上げ、勢いよく土に刺す。それだけの作業なのに、Aは疲れでいっぱいだった。
「…ふぅ」
一息つくために、Aは一度家に入った。
中ではエレンがひとりで遊んでいる。
…寂しい思いをさせちゃってるなぁ…
「エレン、こっちにおいで」
Aがそう言うと、エレンはがばっと顔を上げて、Aのもとに走って来た。
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蒼李(プロフ) - なおさん» 私たちは交互に作品をあげています。ですが、私も雪夜さんも最近は忙しいので遅くなる可能性があります。正直なところ、完成の目処はまだわかりません。 (2014年11月4日 22時) (レス) id: d7cdcb1c5d (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - 蒼李さん» 書き始めてるってことは完成はいつですか? (2014年11月4日 17時) (レス) id: 69c388663f (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - 蒼李さん» じゃあ、書き初めてください。 (2014年11月4日 8時) (レス) id: 69c388663f (このIDを非表示/違反報告)
蒼李(プロフ) - なおさん» わかりました。すみませんが、そろそろ書き始めるころなので、これ以上の設定は受け入れられない可能性があります。 (2014年11月2日 22時) (レス) id: d7cdcb1c5d (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - 蒼李さん» 医師紹介所の所長はグリシャで、そこに所属する医師はエレン、ミカサ、アルミンでお願いします。この3人以外の104期生は研修医やナースでお願いします。 (2014年11月2日 19時) (レス) id: 69c388663f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼李様(泣)と雪夜様(笑) x他1人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2014年9月28日 22時