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それからふたりは、男に少し注意をした。

「……で、18000円の罰金と、2点の減点です」

Aはそう言って、ハイと手を差し出した。

「金なんて持ってねーよ」

「なら、7日以内に払ってください。
もし払わなかったら、刑事事件にされるかもしれませんよ」

Aは書類に書き込みながら言った。
男はぎりぎりと歯を噛んだ。

「はい、次は気を付けてくださいね」

Aは笑顔を作って、パトカーの扉を開けた。
男は大人しくパトカーから降りた。
……と思ったのだが、

「うわっ!」

「Aさんっ!」

パトカーから出た際に、男はそばにいたAを突き飛ばした。
Aは地面に尻餅をつき、男は車へ走って行った。
エレンは急いでパトカーから降り、Aのもとへ走った。

「Aさん!大丈夫ですか!?」

「いてて…大丈夫大丈夫」

エレンは手を差し出し、Aを助け起こした。
Aは起こされると、ぽんぽんと服についた汚れを払った。

「大丈夫ですか!?怪我はありませんか!?
一応病院行きますか!?」

「大丈夫だって!」

Aはアハハと笑った。

「こういうの何回もあるんだよね…
前の子に言われたんだ。笑顔が不自然だって。
なんか馬鹿にしてるような笑顔だから、怒らせちゃうみたい…」

今度は参ったように弱々しく笑った。

「…そんなことないです!」

エレンはぱっとAの手を取り、両手でそっと包んだ。
そして、とんっと自分の胸に当てた。

「イ、イェーガーさん!?」

Aはびっくりして、頬を赤くしてしまった。
エレンはAの目を見ながら、ゆっくりと言った。

「そんなことないですよ。Aさんの笑顔はとても優しいです。いつも元気をもらってるんです。
だから、そんな寂しく笑わないで…
俺、Aさんの笑った顔が大好きですから…ね?」

エレンは片手を離し、Aの頭を撫でた。

「なっ…!」

Aはパクパクと口を動かして驚いていた。
エレンはそのAを、くすくすと笑った。そして、Aに熱っぽい視線を送った。

「止めてくださいよ…
…そんな可愛い反応されたら、我慢できなくなる…」

「っ!」

Aはぱっと自分の顔を手で覆った。

〃→←〃



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蒼李(プロフ) - なおさん» 私たちは交互に作品をあげています。ですが、私も雪夜さんも最近は忙しいので遅くなる可能性があります。正直なところ、完成の目処はまだわかりません。 (2014年11月4日 22時) (レス) id: d7cdcb1c5d (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - 蒼李さん» 書き始めてるってことは完成はいつですか? (2014年11月4日 17時) (レス) id: 69c388663f (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - 蒼李さん» じゃあ、書き初めてください。 (2014年11月4日 8時) (レス) id: 69c388663f (このIDを非表示/違反報告)
蒼李(プロフ) - なおさん» わかりました。すみませんが、そろそろ書き始めるころなので、これ以上の設定は受け入れられない可能性があります。 (2014年11月2日 22時) (レス) id: d7cdcb1c5d (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - 蒼李さん» 医師紹介所の所長はグリシャで、そこに所属する医師はエレン、ミカサ、アルミンでお願いします。この3人以外の104期生は研修医やナースでお願いします。 (2014年11月2日 19時) (レス) id: 69c388663f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼李様(泣)と雪夜様(笑) x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2014年9月28日 22時

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