私の、為に。(cn) ページ6
cn視点
人生の終わりには、いい日だと思った。
少し曇った空、心地の良い風。
そして、後ろから聞こえてくる君のものであろう足音。
ガチャン。扉が開く音と共に振り向くと、
案の定焦ったような顔をした君が立っていた。
あぁ、そんな顔も可愛いなぁ。
『コンちゃん、何してるの？』
僅かに震えている声で俺に聞いてくるAちゃん。
俺は少し苦笑して、Aちゃんの問に答える。
｢何って、しのうとしてるんだよ｣
なんで、とさっきより格段に小さくなった声でAちゃんが言う。
｢なんで、かぁ。うーん｣
俺は少し考え込む素振りを見せてAちゃんを見た。
Aちゃんは俺にどこか縋るような視線を送っていて。
そっか、君は、俺にいなくなって欲しくないんだね。
いなくなったら困るっていう程に、俺を大事に想っていてくれたんだね。
そっかぁ。ほんとに、嬉しいなぁ。
自然と口角が上がる。俺はそのまま最大限の笑顔を作ってAちゃんに言い放った。
｢それが1番幸せだからだよ。Aちゃんにとっても、俺にとっても｣
Aちゃんが弱々しく首を振り、こちらに向かってくる。あぁもう。君って子は。
Aちゃんは俺の元までたどり着くと、俺の手を握って言った。彼女の瞳には涙が浮かんでいて、とても綺麗だった。
『私の幸せを願うなら、生きてよ。生きる意味がないって言うなら、私の為に、生きて。』
少し、驚いた。
まさか君からこんな言葉が出るなんて。
こんな事を言うまで俺に依存していてくれたなんて。
ここで飛び降りることを辞めたら、Aちゃんは喜んでくれるのかもしれない。
確かにそれもいい。
でもねAちゃん。
俺が求めているのは、Aちゃんと俺の、
永遠の幸せなんだ。
一時の幸せじゃなくて、永遠の。
だからちょっとだけ、俺の我儘に付き合って。
｢ごめんね、Aちゃん｣
そう呟いた俺は、
彼女の手を思いっきりー
ー引っ張った。
え、と声を漏らしたAちゃんの手を離さないように強く掴みながら、俺は、俺達は落ちていく。
一瞬驚いたように目を見開いたAちゃんだったけど、直ぐに全て察した様で、俺の手を握り返しながら笑って言った。
『コンちゃん、愛してる』
｢俺も。誰より愛してる｣
その笑顔はこの世の何よりも綺麗だった。
ーーーー
解説タイムです。
コンちゃんは最初から自〇するつもりはなくて
夢主と心中するつもりだったんですね。はい。
.
以上です！！また会いましょ！！
勝者はどっち？(tn、sn) 1→←いつもみたいに。(tn)
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作者名：みそ漬けキュウリで殴る | 作成日時：2020年5月29日 15時
