【呪術廻戦】メンヘラ短編集

【真人】 ページ10

俺はさ、まだ呪霊として産まれたばかりなんだよね
だから知らないことばかりなんだけど



A、君はなんなの？
魂の形も何もかも、全部普通じゃない



呪術師でもないのに俺を見つけた
でも他の呪霊は見えない


からかうと直ぐに赤くなって魂が揺らぐんだ
揺らいでいるのに他の誰よりも核が硬い


最初はAも他と同じようにストックしてやろうと思ったのに


こんなの不思議な子他に居ないんだもん
俺の事普通のヒトだと思ってる


だから″嘘をついた″
俺はニンゲン、Aの仲間だよって
そうすればもっと面白くなると思った


一緒に出かけて、一緒に遊んだ
映画のチケット2枚出して不思議な顔されてたね
それでもAは僕のことニンゲンだと疑わなかった


呪霊なんて、俺以外見たことないんだもんね
俺はAの唯一無二の存在だ！



気づいたらAのことばかり考えていて
Aは今何してるかな
Aを次はどんな風にからかってやろう
Aは何をしたらまた赤くなるかな


考えていくうちに気がついた
俺はAからしたら他のヤツらと同じニンゲン
唯一無二は俺じゃなくてAになっていた


俺だけが思っててAは思ってない
そんなのは嫌だ
確かめなきゃ、あの魂に触れていたい
離れたくない


｢A！！｣

『……』

｢…A？｣


ねぇ、なんで返事をしてくれないの？
からかいすぎたから？謝るから許して、俺を唯一無二にしてよ

俺だけを見て欲しい







Aは俺が見えなくなっていた


最初からおかしかったんだ


呪霊は見た事がないのに俺だけが見える。


そんなことあるはずない





『お名前なんて言うんですか？』

｢俺名前ないんだよね〜良かったらつけてよ！｣

『え〜秘密ってことですか？じゃあ勝手に【真人】さんって呼びますね！』





俺をもう一度真人って呼んでよ






Fin【真人】

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