【呪術廻戦】メンヘラ短編集

【花御】 ページ4

木々の間から漏れる日差しが強くなる午後2時
春の風に誘われて…

『こんにちは、産まれたばかりの呪霊さん』

木漏れ日に包まれて現れた人
人と言っていいのでしょうか

あまりに美しく、尊く、輝いて見えたあの日

『私の式神になりませんか？』

私はあなたに全てを捧げた
人では表せない、天使の子に


人が森を畏怖することで生まれた私
だから負の感情には人間より敏感です

しかし、天使の子は私に、森に、空に、海に、大地に

何も恐れていなかった

やはり天使の子なんでしょう
澄み切っていて、淀みがなく
ただただ美しい

『私の術式は式神を呼ぶの、あなたみたいな素敵な呪霊ほかにいないわ！』

『名前が欲しいわよね？【花御】なんでどうかしら！』

『私があなたを呼んだら助けに来てね』

『2人の印をつけましょう？これでいつでも一緒よ』

いつでも一緒
2人の証

心に入り込んでドロドロに溶かしてゆくみたいで
天使の子は不思議な力を持っているんでしょうか

『じゃあ、またね』

そうやって森から去っていった天使の子
またねとはいつですか？

何日待てば
何週間待てば
何年待てば

帰ってきてくれるんですか？



どれだけ待っても帰ってこない天使の子

早く私を呼んでください
直ぐに行ってあなたを守ります

私が呼んだらあなたは来てくれますか？

｢＊*△✻＠×」

Aさん、私の想いは届いたでしょうか
きっと天使の子は忙しい

『私自然が大好きなのっ！だから自然を大切にしない人が嫌いだわっ』

『だから【花御】は大好きよ！私が居なくても自然を大事にしてね！』

そうですよね、Aさん
あなたがいなくても自然を大事にしなくては帰ってきた時に悲しんでしまいますよね

あなたの言うとうり自然を大事に
自然を大事にしない【人間】を消してしまいましょう

愛しい天使の子
主人であるあなたのために私は何でもします

だから、早めにまた、会いに来てください


Fin【花御】
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