ほんまに好き【短編集】

ぬるいお酒【EXIT・兼近大樹】R* ページ8

「A〜！！はやくっ！！」

『ほいほい』



そう言ってビールとコップを持ってきてくれる

今日は1日オフの日

つまりっ！ついこの間幼馴染から彼女に昇格したAとゆっくりできるっ！！




『兼近？何考えてんの？』

「んっ？！…いや、別に」

『ふーん。なんもないなら別にいいけど』

そう言って、俺の隣に座る


「そこじゃなくてっ！…ここ、来て？」

俺の足の間に座るよう、催促する

『え〜…別にいいよ……遠慮する』

「遠慮しないでー！！早くっ！早くっ！！」


しょうがないなぁ〜と座ってくれる

後ろから抱きしめる



『……なに』

「んー？なにって…何が？？」

『今日、甘える日なの？』

「ん。そう、今日は甘える日…そんで」







Aのこともめちゃくちゃに甘やかす日









耳のそばで囁くと体が反応して、だんだん耳も赤く染まる


「…あれ？照れてんの？」

『別に…』

「…ふーん」


Aのお腹をさわさわと触る



『ちょっ…何』

「んー？言ったじゃんか。今日は…」









Aのこともめちゃくちゃに甘やかす日






だから…



『わけわかんないっ！触んなくてもよくない？！』

「Aが素直になるようにしてるんだよー」


耳元で囁いて、体触ったら…A、すぐその気になっちゃうでしょ？







付き合って間もないけど、何年前から一緒にいると思ってんの？

Aが好きなこと、好きなもの、言われたい言葉、されたいこと……何でもわかる





『もうっ！やめてっ！！お酒飲みたいのっ！！』

ビールの缶を開ける

缶がプシュッと短い音を立てる

コップに注いだところで、Aの手からコップを取り上げる



『…何』

不満そうな顔で俺を見る

「俺が飲ませてあげよっか」

『いらないから、はやく』

「やだ。俺が飲ませる。今決めた」



そう言って、コップをAの口に持っていく


『…ん？』

「ほら、飲ませてあげるから」

『…これで飲むの？』

「ん？うん……あ」



もしかして…とAの顔を覗き込む









「…口移しだと思った？」









『はぁっ？！な、何言ってんの』


真っ赤になって否定するA

…誘ってるようにしか見えない



「ごめんごめん笑。A、ぬるいお酒嫌いでしょ？だから、こっちのがいいと思ったんだけど…そんなに口移しがいいなら『普通に飲ませて』…はーい笑」

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