・ ページ32
・
「失礼します、、」
保健室に向かって、静かに扉を開ける。海斗はまだ寝ているみたい。
「お兄さん、お疲れ様です。座ってください」
「すみません、、いろいろ、ご迷惑をおかけしてしまって、、」
「そんなことはないですよ。いま、担任も来ますから、少しお話し聞かせてください」
松倉先生が出してくれた温かいコーヒーを飲んで、息を吐く。座って誰かが入れてくれたコーヒーを飲んだのも、なんだか久しぶりな気がして来た。
「お待たせしました」
如恵留先生も来てくれて、俺の向かい側に座る。
「すみません、お呼びしてしまって。ちょっとお話し聞きたくて」
そう言われたらまた罪悪感が溢れて、不覚にも涙が溢れてしまった。雨の中、雨が苦手な海斗を、校庭に置き去りにしてしまった。もしものことがあったらと思うと、怖くてたまらない。
「ごめんなさい、、俺、海斗を、、置き去りにして、、」
「朝、僕が見つけた時は、雨の中で傘もささずに佇んでいました。身体が冷えてしまったので保健室で着替えて、朝の会をやると言って教室に行ったのですが、やっぱり辛くなってしまいました」
「朝も、本当に落ち着かなくて、歩き回ったり、段ボールの中に入ったりしてたんですけど、、俺、今日急いでて、、焦っちゃって、、海斗に、怒鳴ってしまって、」
どれだけ怖かっただろう。どれだけ嫌だっただろう。海斗は大きな声も、怒鳴り声も、喧嘩の雰囲気も全部苦手なのに、俺1人の感情で、海斗の気持ちなんか考えないで怒鳴り散らしてしまった。
127人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
イカ(プロフ) - ユルピさん» 遅くなってしまい、申し訳ありませんでした💦 (2023年4月6日 12時) (レス) id: bba6564774 (このIDを非表示/違反報告)
ユルピ - イカさん» お話見ました!とても如恵留くんが頑張っている様子が伝わり感動しました!また、リクエストしますね〜 (2023年4月6日 8時) (レス) @page44 id: 05904f8bd6 (このIDを非表示/違反報告)
睡眠(プロフ) - こんにちは!ざっくりとしたリクエストだったのにも関わらず、とても素敵なお話にして下さり、ありがとうございました♡何度も読み返し楽しませて頂きます!これからもイカ様の作品を楽しみにしています(*^^*) (2022年12月12日 10時) (レス) id: 1f31f14422 (このIDを非表示/違反報告)
イカ(プロフ) - 睡眠さん» お待たせして申し訳ありません。「ずっと、一緒に」にお話を更新させて頂きました。お読みいただけると嬉しいです。 (2022年12月12日 8時) (レス) id: bba6564774 (このIDを非表示/違反報告)
イカ(プロフ) - 睡眠さん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまい、申し訳ありません。ずっと、一緒にへのリクエストありがとうございます。少しお時間をいただくかもしれませんが、お待ちいただけると嬉しいです。よろしくお願いします。 (2022年12月4日 22時) (レス) id: bba6564774 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:イカ | 作成日時:2022年10月8日 23時