明日も、明後日も #2

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そう言われて、次の予約を取って、薬をもらってから海人を迎えに行く。ベッドに腰掛けた海人は、相変わらず光のない目で、床を見つめていた。

「海人、帰ろう」

同じ手順でタクシーに乗せて、海人の家に着く。病院でもらった薬を飲ませると、すぐにフラフラし出して、ベッドに横にするとすぐに眠ってしまった。その間に部屋をざっくり片付けて、実家に暫く海人のところに泊まると連絡をする。メンバーにもその旨伝えると、とにかくみんな、仕事が終わり次第来てくれることなった。

「お前は愛されてるよ」

表には見せないけど、海人は誰よりも努力する。誰よりも突き詰める。ただ、生き方が器用な方ではないから力の抜き方を知らないし、誰かに頼って寄りかかることもしない。セルフイメージが決して高いわけではないから、自分の努力に満足することもない。その結果が今日なのだとしたら、それを知っていて何もしなかった俺にも、責任の一端がある気がした。悪い悪くないは置いておいたとしても、海人の世話は俺が頑張らなきゃいけない。海人はたぶん、俺と、如恵留以外には頼れない。それは関係性から見ても仕方ないし、当たり前だと思う。他のメンバーも、それは分かっていると思う。現状、どれくらいで海人が回復するかも分からないので、仕事は抜いてもらうようにマネージャーに頼んだ。事務所でも話をしてくれたようで、とにかくまだ休止とかそう言う発表はしないで、様子を見ようと言うことになった。どうしても抜けてしまう穴はメンバーで埋めて、YouTubeは撮り溜めやライブ映像で行けるところまでいこうということになった。

「きったな」

掃除は元々苦手だから、お世辞にも綺麗とは言えない海人の部屋を片付ける。窓も開けて、空気を入れ替えると、部屋がワントーン明るくなった気がした。暫くすると、海人がゆっくり起き上がって、トイレに行って戻ってきた。

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