明日も、明後日も #2

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Noel

「せんせ、どーしたのよ」

リビングでぼんやりしていると、目の前で宿題に勤しんでいた元太に声をかけられる。急に声をかけられたものだからびっくりして変な声が出てしまった。

「へ？」

「へ？じゃないよ。そんなに心配なら、声かければいいじゃん」

そう言いながら、緑色の蛍光ペンを目の前でゆらゆら揺らす。曲がって見えるー？なんてふざけてるけど、この末っ子はなんて聡いんだろうと思った。

「顔に出てたかな」

「ずっと出てるよ。ダダ漏れだよ。あれでしょ、一応まつくらに気を遣ってるんでしょ」

考えてることを全部言い当てられて、恥ずかしくなってテーブルに顔を伏せる。

「あのね、まつくらはそんなこと気にしないし、なんなら海人のことずっと心配してっから。ちゃかも、俺もそう。だけどさ、俺らじゃだめなのよ」

ご飯誘ったけど来なかった、と寂しそうに言う。

「変なプライドなのか、意地はっちゃってんのか、なんも考えてないのか分かんないけど、俺らが言ってもだめなの。海人は如恵留のこと待ってるとおもーよ」

「そうかな。ウザくないかな」

「なにいってんのさ。のえさんがウザいくらいメンバー愛してんのはみんな知ってるから！今さら変なこと気にしないでよー。ね、お願い。海人が疲れ切っちゃう前に、助けてあげてよ。松倉は別に俺らと食べるから」

「いいのかな。ルールなのに」

「ルールより、海人の方が大切。そうっしょ？」

のえさん固すぎー、と声を上げる元太を見てると、少し思考がクリアになる。

「じゃあ、松倉のことお願いね」

「はいよー。気にすんなー」

元太にお礼を言って、すぐに行動に移した。何日も前から心配しすぎて、海人がどんな出方をしてきてもいいように脳内シュミレーションは終えている。

「海人、起きてる？」

嫌がられても怯まないと心に決めて、ひとり部屋をノックした。

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