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4 一難去ってまた一難1 ページ4

「Aちゃん!」
「あ、春田さん!こんばんは、今回もよろしくお願いします」
ついに稽古開始日。学校が終わってから稽古場へと向かうと、既に春田さんが中にいて私に手を振ってくれる。

春田さんは前回のミュージカルでの私のお相手役だった人だ。今をときめくミュージカル俳優で、甘いマスクに美声、高い歌唱力……まさに王子様の代名詞を欲しいままにしているイケメンさんだ。
「こちらこそ。受けてもらえて嬉しいよ、君が相手ならまた楽しく演じられるだろうからね?」
そう言って春田さんが笑いかけてくれる。私はちょっと照れ臭さを感じて苦笑した。
「そ、そんな!むしろご指名頂けるとは思ってなかったので本当に嬉しいです……!それはそうと、前回は色々すみませんでした……」
前回の、とは勿論キッド──快斗くんの件だ。随分と引っ掻き回されたしと思い頭を下げると春田さんは楽しげに笑った。
「あはは、いいよいいよ。随分面白いものが見れた、っていう感じだったしね。天下の大怪盗も君が絡むと一気に人間味溢れるんだね。冷静沈着ポーカーフェイスのイメージしかなかったけど」
「本当すみません……春田さんの事何か勘違いしてるみたいで。何度も言ってるんですけどね」
笑う春田さんにため息交じりでそう返すと、春田さんは笑みを少々悪戯っぽいものに変えてこちらを見る。
「さあ、勘違いなのかな?……っと、そろそろ皆集まってきたみたいだ、顔合わせだし行こうか」
春田さんの言葉に目を丸くして聞き返そうとするも、部屋に人が集まってきた為にそれは叶わず、そのまま顔合わせと稽古が始まった。



──────



稽古が終わり携帯を見ると、一件のメール通知。
見てみると快斗くんからで「外にいる」と一言。
私はすぐに「今終わったから少し待ってて」と返すとお疲れ様でした、と挨拶をして廊下へ出る。
と、そこで春田さんとばったり会った。
「あ、春田さんお疲れさまです!」
「お疲れAちゃん。いい感じの稽古始めだったね」
「そうですね、前も思いましたけど春田さんは本当演技も歌もお上手ですよね」
歩きながら春田さんと話す。私の言葉に春田さんが朗らかに笑った。
「はは、Aちゃんに褒めてもらえて光栄だよ。でもAちゃんだって本当に凄いけどね?舞台経験が全然ないとは思えないよ」
「そんな!私なんかまだまだ──」


「おいこらA。おせーぞ」


思わずまた照れ笑いしそうになった所で飛んできた不機嫌な声に春田さんと足を止めた。

5 一難去ってまた一難2→←3 波乱を呼ぶヒロイン役への指名3



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設定タグ:まじっく快斗 , 怪盗キッド , 黒羽快斗   
作品ジャンル:アニメ
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橋本アリィちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します!とても面白かったです!もし続編があるのなら、続きを楽しみに待っています!(*´ω`*) (2022年2月8日 19時) (レス) @page5 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
闇病み(プロフ) - 1コメ頂きました!白馬くんっぽいのが小説説明欄に出ていたのがとってもとっても楽しみです!頑張って下さい!! (2019年6月29日 17時) (レス) id: edc146277d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さくら | 作成日時:2019年6月27日 22時

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