kiss you tonight -TH- 短編【完】 (ページ4)

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TH「その辺に座って待ってて」

『はい… 』

どうして先輩はそんなに普通なの？

もしかしてこういうワンナイトラブ的なこと、何度もあったりして。先輩モテるし。

あああああ神様仏様どうか昨日の夕方に時間を戻して下さいっ！

TH「はい。簡単なものしか出来ないけど」

『あ、す、すみません… 』

テヒョン先輩と、先輩の部屋でテーブルを挟んで向かい合わせに座って昼食を食べている。

信じられない、この光景。

TH「Aさ、」

『は、はいっ！』

TH「本当に昨日のこと覚えてないの？」

『… はい』

TH「そっか」

『あの、すみません… 先輩は、こういうこと、酔った勢いで… 的なこと？慣れているかもしれませんが… 私は、その… 慣れていなくて… でも、このことは誰にも言いませんし、これからも先輩後輩として、』

TH「ストーップ」

『え？』

TH「酔った勢いでって今までそんなのしたことないよ」

『あ… 、』

TH「なにを勘違いしているのか知らないけど好きでもない女抱くほど俺、落ちぶれてないから」

はて？どういうこと？

TH「ま、そういうこと」

『え？ど、どういうことですか？』

TH「そういうことだって」

『えぇ？分かりません… 』

「だから、こういうこと」なんて言いながら立ち上がったテヒョン先輩は身を乗り出してあたしにキスをした。

『いま、なにを… 』

TH「分からないならもう一回する？」

『いやいやいやいやいや』

TH「分かってるじゃん。ねぇA」

『な、なんでしょう… か』

TH「昨日のこと覚えてないんだったら、」

『っ、先輩… 』

TH「思い出させてあげようか？」

妖艶な表情ってこういうことを言うのかな。

向けられた熱い眼差しから目をそらすことは出来なくて…

なにかに操られるかのようにそのまま静かに頷いた。

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