40話 ページ9
貴方side
『んー、今日も一日お疲れ自分』
帰り道、呟いてみた
エ｢どうしたんだ？急に｣
『いやあ、なんとなく』
モ｢そういえば、エクボはいつも姿を見せないのに、どうして今日はいるの？｣
『えっ？』
エ｢それはだなー『な、なんで言おうとしてるの！？』
私がそういうと、モブくんはしゅんと落ち込んだ
エ｢もういいだろ？俺様が見えるんだからよ｣
『でも…』
偽物じゃない、わかってる
だけど、迷惑かけてしまったらって考えて、
モ｢どんなことかわからないけど、
力になりたいから、いつでも言ってね｣
『…うん』
やっぱり話そう、
もし、あの男が現実に現れて
もし、私が連れ去られたら
何も言わずにいなくなったら、それこそ迷惑だ
『モブくん』
モ｢？｣
『今日、寝る前に話があるの』
モ｢うん、わかった｣
すると、エクボが私の耳元にすいーっときた
エ｢結局話すのか？｣
『うん、気が変わった』
？｢あ、影山くんじゃないか｣
小声で話していると声が聞こえた
モ｢あ、花沢くん｣
｢花沢くん｣と呼ばれた男の子は紫色の制服を着ていた
『こんにちは』
ぺこりとお辞儀をする
花沢くんは私の方をみると、少しの間固まっているように見えた
あと、顔が赤いような…まあいいか
花｢こんにちは、影山くんも今帰りかい？｣
モ｢うん、そうだよ｣
花｢隣の子は彼女さんかな？｣
花沢くんは｢はは｣と笑いながら言った
けれど、その冗談は私を喜ばせるには充分だった
モ｢『ちがうよ！？／ちがいますよ！？』
花｢はははっ、冗談だよ
花沢輝気、周りからはテルって呼ばれてる
君は？｣
『あ、Aです』
花｢そんなにかたくならないで、
敬語を外してくれないか？｣
『わかった
じゃあ、テルくんって呼んでもいい？』
花｢いいよ｣
ふわっと笑った彼は顔が整っているなあと思った
『テルくんは俗に言うイケメンなんだね』
花｢えっ？｣
『あ』
口が滑ったと思って、慌てて手で隠す
その時、ぐいっと何かに腕を掴まれた
『？モブくん？？』
モ｢あ…ごめん、なんでもない｣
花｢…なるほどな、どうやら影山くんとはライバルらしいね｣
『？』
モ｢A、そろそろ帰らなきゃ｣
『あ、そうだね
じゃあね、テルくん』
花｢あぁ、またな｣
そういうと、モブくんは早歩きで足を動かした
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作者名：黄昏色 | 作成日時：2020年4月20日 23時
