君がいること２【モブサイコ100】 (ページ4)

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35話ページ4

貴方side

目を開けると見たことの無い景色が広がっていた

白いタイルがどこまでも続いている空間に、みんながいる

モブくん、律、霊幻さん、お母さん、お父さん、脳電部の4人と、肉改部の5人、それから

『…誰？』

少し遠くで、霞んでいてよく見えない黒い帽子を深く被っている男の人がいた

私はその人に問いかけると、男の人はニヤリと笑った

寒気がする

男の人に近づいてはいけない、なんとなくそう思った

笑った男はそのままの顔で私にゆっくりと近づいてくる

逃げようとモブくんの方を向く

でも、そこにはモブくんではなく、同じ男の人が立っていた

モブくんだけじゃない

他の人も全員男の人になっていた

私を囲んでゆっくりと近づいてくる

怖い

ただ、そう思った

逃げるという選択肢が脳に浮かばなかった

『来ないでっ！！』

ついに、男の人から手首を掴まれた

______________________

『やめてよっ______！！！』

勢いよく起き上がると傍にはモブくんがいた

ゆ、夢…？

モブくんが私の手首を掴んでいることに気づく

先程の夢を思い出し怖くなった

『も、モブくん、おはよ、！』

なるべく明るい声で言って、さっと手を離す

モ｢おはよう、大丈夫？うなされてたよ
何度も声をかけたんだけど、起きなくて…｣

｢手を掴んだ｣と言いたいのだろう、

『…大丈夫！元気だよ！ほら！』

そう言って軽くジャンプする

モブくんが私に近づく

大好きなモブくんでさえも、怖いと感じて、後ずさってしまう

トンッ

壁に当たって座り込む

モブくんの手が私に伸びてきた

フワ

モ｢汗出てたから…風邪ひくよ？｣

モブくんは私の額にできた汗を優しくふいた

『…あ、あり、がとう』

気の抜けた返事をし、私は｢ただの夢だ｣と思おうとした

リビングへ行くと、学校へ行ったのだろう

律はいなかった

モブ母｢おはよう、A｣

『おはよう、』

モブ母｢あら、今日は元気がないわね
顔も赤いし、｣

モ｢えっ？A大丈夫？｣

お母さんはそこまで言うと、体温計を差し出す

『いや、大丈夫』

モブ母｢でも一応測っておかないと…｣

『大丈夫だってば！！』

はっと、手を口元におく

『あの…ごめん、なさい…』

居候の分際で、しかも学校も通わせてもらっている身なのに…

『…っ！行ってきます！！』

その場の雰囲気がどうにも耐えきれず、学校のカバンをもって、家をとび出た