女神ノ日記 漆黒ノ黒 ページ6
今日もまた、新しい人が私の領域に入ってきた
また、私を管理する大人だろうか
そんなことを考えていると、扉が開いた
すると、予想とは違う、男の子が入ってきた
名前は、グルッペンというらしい
瞳に、吸い込まれるかと思った
それほどに、その紅の瞳は魅力的だった
少年は野望を持っているらしい
そんな彼が、私の最初のお友達
だから、私は宝物をあげた
黒真珠。彼に似合うと思ったから
自分の意見を持つ彼に、似合うと思ったから
彼のためなら、短い人生の時間を使ってもいいと思った
========
夢を見た
私のことを追いかける大人たちが、襲ってくる夢
「ミャーオ？」
私の黒猫が、そのきれいな翡翠色の瞳で、見つめている
「そう。それがあなたの言うことなら、グルッペンどうしようかなぁ」
きっと、明日もグルッペンは来る
だから、私は彼を守らなければならない
「せっかく、クリスマスのプレゼントも用意したのになぁ」
ぽつりとつぶやいたその言葉は、誰にも届かない
========
ドカァン！
地下が爆発された
グルッペンは驚いた顔をしている
「ちょっとまて！お前はこのことを知っていたのか！？」
「ごめん。今日クリスマスなのにプレゼントあげられなかった」
「だから、必ずどこかで会おう」
「・・・必ずだ！」
私はグルッペンをかばいながら走る
「あは、早くこっちにおいで！」
兵士たちの動きは遅い
これからどうしようかな
「ミャーン！」
黒猫はやがて大きな妖怪になり、私をのせた
「ねぇ、どうすればいいかなぁ。‘リンクス,」
「ニャン！」
「あは。そうだね。全てを見透かすあなたに言ってもしょうがないかぁ」
そうだなぁ…どこに行こうか
北の方に行こうかな
知り合いもいるし
「必ず会う…か」
その言葉は、風とともに消えていった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
