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10.彼の表情 ページ10

最終選別の最終日

 生き残った者は数少なかった。


 私もなんとか生き残れたものの、

 あの時、彼が助けてくれなければ…


「A!」


 不意に名前を呼ばれて振り返ると

 はつらつとした表情の彼がいた。



「あ…煉獄さん、この前はありがとう!」


「うむ!

 君と共に鬼殺隊に入れるなんて喜ばしいことだ!

 俺のことは杏寿郎と呼んでくれ!」


「ええっと…分かった!

 あ、その!杏寿郎に聞きたいことがあるの!」


「なんだ!」


 ハキハキと大きな声で話す彼は

 時々どこかちがうところを見て話している。


「あの…!」


「うむ!」


「杏寿郎の父君は炎柱だよね?

 私、その…少し前に炎柱に鬼から助けてもらって…」



 私がそういうと、杏寿郎は眉を上げて

 目を大きく開いた。


「その話は本当か?」


 先程までとは打って変わって

 落ち着いた声色で優しい目をする。


「うん…!間違いない!

 隠の人に炎柱と呼ばれていたし、

 あなたと同じ髪の色に、剣技の所作も同じだった。」



 杏寿郎は私に歩み寄ると、そっと手を握りしめた。



「そうか。…話が聞けて良かった。

 ありがとう、A。」



 なんだろう…

 寂しさと嬉しさが混じったような顔をしていた。

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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - ハウンさん» ハウンさん、こちらこそお読みいただきありがとうございます!引き込まれると言ってくださり大変光栄です!続編も更新しましたので、引き継ぎお楽しみいただけるよう頑張りますね! (2022年3月1日 22時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - misakimiさん» misakimiさん、ありがとうございます!まっすぐな煉獄さんの深い愛情が表現できていれば…と思います。これからもそんな彼を言葉だけではなく、仕草や態度での表現ができるように努めたいところです! (2022年3月1日 22時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
ハウン(プロフ) - 素敵な作品を作っていただきありがとうございます!ものすごく感情移入してしまって胸が締め付けられるくらい引き込まれました!続編楽しみにしてます! (2022年2月28日 23時) (レス) id: 065a2165a6 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 今日も煉獄さんが素敵だ。押し付けがましいところは一切なく、ただただ彼女の幸せを願い笑顔を作れる彼は本当に素敵。 (2022年2月28日 21時) (レス) @page50 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - misakimiさん» 彼はあまり内緒話など出来なさそうですよね(笑) 巧いだなんて言っていただけて…嬉しすぎて今夜は幸せな気持ちで眠れそうです〜!いつもありがとうございます。 (2022年2月26日 21時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2022年2月5日 21時

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