淡紅舞う【煉獄杏寿郎】

11.努力の人 ページ11

晴れて鬼殺隊となった私は、

　日々任務に明け暮れるようになった。


　鬼殺隊が使う日輪刀は持つ人によって色が変わる

　別名、色変わりの刀とも呼ばれている。


　私の刀は羽織と同じような淡紅色だった。

　同じ炎の呼吸を使う杏寿郎は燃えたぎるような赤色。

　やはり剣技の差も関係しているのかな…



　鬼殺隊に入って、

　杏寿郎と何度か顔を合わせるうちに分かったことがある。



　それは、私を助けてくれた炎柱であり、

　杏寿郎の父親である煉獄槇寿郎様は今や任務には

　あまり行かなくなってしまったこと。


　槇寿郎さんの奥様、

　つまり杏寿郎の母親である瑠火さんの死が

　関係しているのかもしれないと風の噂で聞いた。

　



　杏寿郎は炎柱の元で

　炎の呼吸の全てを教わっていたのだと思っていたが、

　どうやらそれは違うようだ。


　槇寿郎様は教えることを途中で放棄し、

　自室に篭るようになったので、

　杏寿郎は指南書を読んで技を習得した。


　彼は血筋だけではなく、

　努力の積み重ねでここまで歩んできたんだ。


　本当に彼はすごい人だ。




　私の担当する地区が杏寿郎とは離れていたため

　今までは合同任務になることがなかった。


　けれど同期ということもあり、

　半年に一度は甘味処でお互いの近況を話すような

　仲になっていった。









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※ 過去回想はここで終わります。

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