人生を謳歌しようと思った矢先にこれだよ。

２４．でも自分の方が暖かい目で見守ってる。 ページ24

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着いた先はマンションだった。


学校もそこそこ近い。




新しい家に入ると、
もう既に父ちゃん達の方の荷物は運び終わってた。




ダンボールなんかはまだ開けてないやつが多いけど、家具は一通り配置したようだ。



「Aの部屋はこっちで、
瑠璃波と同じ部屋だ。」



父ちゃんに手を引かれて、部屋を案内される。



「今度Aの机も選びに行こう。」


「うーん。
ぼくはテーブルがあれば十分ですよ？」


「遠慮するな。
机はあっても困らないだろう？」


「…そう、ですね。」



子供用の勉強机は場所を凄く取るからなぁ…
ゴツイし。






というか…



「瑠璃波は居ないの？」


そう聞くと、少し困ったような顔でぼくに話した。


「ああ…
瑠璃波は、昨日入院したんだ。」




「え…」


「最近、体調が優れないようでな。
しばらく入退院を繰り返す形になるだろうな…」




寂しそうに瑠璃波の机を見つめていた。




「そうですか…
お見舞いに行ってあげなきゃですね！
ぼくが勉強も教えますよ！」



「…！そうだな、ありがとう…」



にっこりと明るく笑って言うと、
つられたように父さんも笑ってくれた。



こういう時、子供の明るさは偉大だな。



人まで明るくする力を持っている。





…中身大人だけど、この際そのことは気にしないでおこう。




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