42.部屋 ページ42
.
「二 三年は今出払ってるけど…
ま、すぐに会えると思うよ。人数少ないし。」
部屋に入るなり、Aはせっせと荷物を取り出し、片付け始めた。
「でも別にAが戦う必要なくない?宿儺の指は僕や恵が取ってくるから、君はここで待ってればいいじゃん。
前世
「いえ、ちゃんとやりますよ。
全く非力ならともかく、“全集中の呼吸”も使えることですし…」
Aはこちらを見ずに、淡々とゲームのポスターを壁に貼りながら答えた。
ゲームとかやるんだ…意外だな。
「…まっ、君が戦わないなんてことあり得ないんだけどね!」
「…ぼくで試さないでください。」
ジト目で呆れたように見てくるAを他所に距離を詰めると、驚いたように目を少し見開いた。
「そんな簡単に見つかるなら、とっくに全部見つけてるっちゅー話。」
「気配が大きすぎるモノ、息をひそめているモノ、既に呪霊に取り込まれているモノ…
“探す”ということに関してこれ程面倒なものもない。」
「でも今は
指を指すとキョトンとしたように首を傾げた。
「君の中の宿儺が、力を取り戻すために指の在り処を教えてくれる。」
「君は器であると同時に、
現場にいないと始まらない。」
Aは自分の胸に手を当てて、少し複雑な顔をした。
「なるほど…でも、呪いの王ですよね?
そんなに親切に教えてくれるでしょうか…」
「そこは、WINWINの関係が築けると思う。」
部屋の外に出ると、ちょうど隣からガチャリとドアを開ける音がした。
「…隣かよ。」
「伏黒さん!怪我治ったんですね!」
先程までの眉間のシワが嘘のように花が咲くような笑顔で笑いかけた。
心から安心したというような表情だった。
うわぁ…いい笑顔。
正面から見たらどうなるんだろう。
恵でさえ目逸らしてるし…
「空室なんて他にいくらでもあったでしょ。」
「だって、賑やかな方がいいでしょ?良かれと思って、」
「授業と任務だけで充分です。」
寝起きなのか少し機嫌が悪いな。
でも、恵自身Aを煙たがってる訳では無さそうだし…
「まっ!いいっしょ!
それより明日はお出かけだよ!」
「3人目の一年生を迎えに行きます。」
.
469人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
甘蜜 蜜華(プロフ) - 駄犬さん» 好きです!頑張ってください! (2021年1月14日 15時) (レス) id: 80388bac17 (このIDを非表示/違反報告)
駄犬(プロフ) - 甘蜜 蜜華さん» ありがとうございます!空白の部分はこだわったのでそう言っていただけるとありがたいです! (2021年1月14日 15時) (レス) id: b9e2d575e7 (このIDを非表示/違反報告)
甘蜜 蜜華(プロフ) - わぁ!……わぁ!(空白の部分の読み方に感動して、語彙力低下中。) (2021年1月13日 16時) (レス) id: 80388bac17 (このIDを非表示/違反報告)
駄犬(プロフ) - 柊さん» うわ!本当だ!言われて気づいた…(--;) やったぁぁぁ!ありがとぉぉお!これからも頑張るね!!呪いの王も楽しみにしてる!! (2020年12月14日 23時) (レス) id: b9e2d575e7 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - こんばんは!柊です!!いつも更新お疲れ様ですそして!!お気に入り登録者数300人突破おめでとぉぉぉ!!!これからも巡り巡って楽しみにしてます!!してます!! (2020年12月14日 23時) (レス) id: 4b9950989a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:駄犬 | 作成日時:2020年11月23日 20時