23.煙 ページ23
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先輩達に別れを告げ、ぼくは火葬場に来ていた。
何故か五条さんも一緒に。
まあ…骨上げまで時間があるから、いいんだけどね。
「…亡くなったのは?」
二人でベンチに座り、ぼくは煙突から出る煙を眺めた。
今まさにあの煙に乗って空に行ってるのかな。今日が晴天でよかった。
「祖父です。
でも、親って感じですかね。」
「そっか…すまないね、そんな時に。」
「いえ…」
でも正直本当にバタバタしちゃったな…
爺ちゃんは亡くなるし、呪霊に襲われるし、特級呪物飲み込むし。
後半は明らかに自分のせいだけど。
「…で、どうするか決まった?」
「やっぱり、こういう呪いの被害って結構あるんですか…?」
膝の上で組んだ手が少し震えるのがわかる。
「今回はかなり特殊なケースだけど…被害の規模だけで言ったらザラにあるかな。」
なぜ震えるんだ?
呪霊を前にしても怯まなかったのに…
「呪いに遭遇して、普通に死ねたら御の字。ぐちゃぐちゃにされても死体が見つかればまだマシってもんだ。」
緊張しているのか。
真実を聞きたくないのか。
…いや違う。
「宿儺の捜索をするとなれば、凄惨な現場を見ることもあるだろうし…君がそうならないとは言ってあげられない。」
この“既視感”に
今はただ…
「ま、好きな地獄を選んでよ。」
静かに怒りを押し殺すことしか出来ないからだ。
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甘蜜 蜜華(プロフ) - 駄犬さん» 好きです!頑張ってください! (2021年1月14日 15時) (レス) id: 80388bac17 (このIDを非表示/違反報告)
駄犬(プロフ) - 甘蜜 蜜華さん» ありがとうございます!空白の部分はこだわったのでそう言っていただけるとありがたいです! (2021年1月14日 15時) (レス) id: b9e2d575e7 (このIDを非表示/違反報告)
甘蜜 蜜華(プロフ) - わぁ!……わぁ!(空白の部分の読み方に感動して、語彙力低下中。) (2021年1月13日 16時) (レス) id: 80388bac17 (このIDを非表示/違反報告)
駄犬(プロフ) - 柊さん» うわ!本当だ!言われて気づいた…(--;) やったぁぁぁ!ありがとぉぉお!これからも頑張るね!!呪いの王も楽しみにしてる!! (2020年12月14日 23時) (レス) id: b9e2d575e7 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - こんばんは!柊です!!いつも更新お疲れ様ですそして!!お気に入り登録者数300人突破おめでとぉぉぉ!!!これからも巡り巡って楽しみにしてます!!してます!! (2020年12月14日 23時) (レス) id: 4b9950989a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:駄犬 | 作成日時:2020年11月23日 20時