Nissy

天狗【2】 ページ2

会議室にスタッフ全員を集めた



ざっと数えて50人はいるだろうか･･･



MVを作るだけで



これだけのスタッフがいる


西島｢えーっと、今日はこれで解散！
それから、明日1日は、丸々休みで！｣



スタッフ｢やっったぁ〜〜！！｣



西島｢はい、解散！お疲れ〜･･････｣



次々と会議室を出て行くスタッフ達･･･



さっきまで、俺を睨むように



暗い顔してた若いスタッフ達は



笑顔になり、明るい顔で帰ってく･･･



渡邉｢お疲れ様〜｣



西島｢あ、なべちゃん！これ！｣



渡邉｢え｣




西島｢赤ちゃん！おめでとう！
おむつでも買ってよ｣



渡邉｢ありがとう！｣



西島｢言ってくれれば良かったのに｣



渡邉｢いや、ほら、にっしー
めっちゃ頑張ってるからさ｣



西島｢･･･ごめんな、なんか俺余裕ねぇや｣



渡邉｢俺ら立ち上げからいる
スタッフはちゃんとわかってるから｣



西島｢うん･･･｣



渡邉｢明後日からまた頑張ろ｣



西島｢おう！･･･赤ちゃんの写メ
後で見せてよ｣



渡邉｢うん、明日いっぱい撮ってくるよ｣



西島｢楽しみにしてる｣



さっきまで、狭く感じてた会議室は



今はガラ〜ンとしてる



マネージャー｢西島さん、帰りましょ｣



西島｢う〜ん･･･先帰っていいよ
ちょっとだけやりたい事あるから｣




マネージャー｢じゃあ、私も｣



西島｢いいから、ちゃんとタクシー
呼んで帰るから｣



マネージャー｢じゃあ･･･お先します｣




西島｢はい、お疲れ｣




【パタン】



虚しく閉まった扉･･･その扉一点を見つめる



パイプ椅子が痛い腰をなんとか



支えてる･･･



ぼーっとしていると、その扉が開いた




西島｢えっ･･･｣




A｢あ、にっしー！まだ帰らないの？｣



西島｢Aさんもどうしたの？
忘れ物？｣




A｢ううん、この衣装の襟の部分
ずっと気になってて、縫って直してこって
思って｣



西島｢襟？｣



この人は、俺の衣装をずっと担当して



くれているスタイリストさん



A｢にっしーはさ、ちょっと童顔だから
襟が大き過ぎると、可愛さ出ちゃうでしょ？
今回は大人っぽくしたいって
言ってたから｣



そう言って縫い物を始めた

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