LOVE 2

入院生活 ページ27

A「………」



何もすることがなく



退屈な毎日……たまに、お母さんや



友輝が夕方、話し相手に



なってくれる……



後は、一日中、看護師さんの



部屋への出入りの音と



三回の食事の繰り返し……



退屈のなにものでもない……




【トントン】



A「はい」




勇一「A」



A「勇さん…」




勇一「順調だね！良い感じだよ」



A「自分でもなんとなく
わかる」



勇一「体の体調もすごく良いと
思うけど、三ヶ月くらいは
激しい運動はダメだからね」



A「何度も言われてるから
わかってます！耳にタコが出来ちゃうよ」



勇一「今日はもう仕事終わりだから
ここで話してても良い？」



A「うん！退屈だったから
嬉しい」



勇一「Aは、目が見えるように
なったら、何がしたいんだっけ？」



A「ん〜いろんな雑誌を
読みまくって、気に入った洋服を
探しにウィンドウショッピングとか
したいかなぁ〜」



勇一「雑誌かぁ……今って携帯で
雑誌も全部見れちゃうんだよ」



A「へぇ〜……そうなんだぁ……」



勇一「買い物も、わざわざ歩き回らなくても
携帯やパソコンで買えちゃうし
同じ服でも、一番安いのどこだろうって
探し回って、疲れるより
家にいながら、探せる便利な世の中だよ」



A「……ふ〜ん…」




勇一「後は？どんな事したい？」



A「車の免許とりたい」



勇一「免許かぁ……都内だと
車の必要性はないし、女の子があんまり
運転するのは、賛成出来ないなぁ」



A「………」


勇一「Aがどこか行きたい時は
俺が乗せてあげるよ」



A「……うん、ありがと…」


勇一「どこか行ってみたいとこは？」



A「……遊園地かな」



勇一「遊園地？」



A「……お化け屋敷とか…怖いだろう
けど、入ってみたい…かな」



勇一「遊園地は遊園地でも
ディズニーランドとかの方が
楽しいと思うよ！乗り物乗らなくても
歩いてるだけで楽しいよ！
退院したら、行ってみようよ」



A「……そうだね……疲れたから
寝ようかな…」



勇一「そっか、じゃあ、おやすみ」



A「おやすみなさい……」



私がやりたい事すべて否定された気分……



……遊園地は、私が唯一、お父さんとの


思い出がたくさん詰まった場所なのに……

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