LOVE

家族っていいな ページ1

友輝(ともき)「お姉！」



A「……」



友輝「お姉ぇ！！」



A「………」




友輝「おい！お姉ぇ！！！」



A「痛っ！なによ！もう！」



突然イヤホンをはずされた



友輝「またAAA、聴いてんのかよ……」



A「好きなんだからいいじゃん！」



友輝「母さんがご飯って言ってるよ！」



A「はぁ〜い」



∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵

A「ん？今日はシチューかな？」



母「正解！」



A「お母さんのシチュー大好き！」



母「いつもAがご飯作ってくれてるから
休みの日くらいAの好きなの
作ってみたの」



A「ありがと！いただきます」



友輝「真ん中にシチュー、２時の方向に
お茶、９時の方向にサラダだよ」



A「うん、わかった、ありがと」




私は5歳の夏、風邪をこじらせ




高熱で、目の視力を失った……




人によって、脳に障害が起きたり




歩行に支障をきたしたりする……




私は目だった……




生まれつき目が見えない訳では



ないから、お母さんの顔も覚えてるし




可愛いい弟の顔も、自分の顔も覚えてる……



あれから、20年………私は25歳



今の顔は、どんな顔だろう……



生意気事ばかり言ってる弟の顔は



どんな顔になったかなぁ……




毎日家族に助けられ、日々生きている




A「やっぱりお母さんのシチューは
美味しい！」



母「ほんと！？嬉しい」




友輝「味は良いけど、最近手抜きじゃね？」




母「どこがよ！」




友輝「昔は、人参とか、ハートとか
星形に切り抜いてくれてたのにさ……
姉ちゃんが、目見えないからって
手抜きだろ」



母「あんた何歳よ！何が星形？
もう子供じゃないからやってないの！」




友輝「あっそうですか！すいませんね」



A「人参とか、ハートとか星形だと
嬉しいもんね」




友輝「そうだよな〜」

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