AAA短編集

西島隆弘　part4 ページ16

心の中を見透かされてるみたい……


西島「手繋いでれば、恋人同士に
見えるよ！はい」


A「…うん」


言われるがままに、手を出すと、サッと


手を握ってくれる…(〃ﾉωﾉ)


この歳になって男の人と手を繋いで


街を歩くなんて、思いもしなかった…


旦那と手を繋ぐことなんてないし


ほんとに何十年ぶりだろう…恥ずかしい…


西島「ここだよ！」



お店に入る時、自然に離れる手……


なんか寂しい……


親方「おっ！いらっしゃい！久しぶり！」


西島「どうも〜ご無沙汰です」


親方「彼女かい？」


西島「……はい」


A「……」


西島「何でも食べたいの頼んで！どれも
美味しいよ〜」


A「じゃあ、鯖の味噌煮にしようかな」


西島「いいねぇ〜じゃあ、俺は、刺し盛り
と、秋刀魚焼き」


そして料理が運ばれてきた


A「いただきます」


鯖の味噌煮を一口食べてみる


西島「どう？」


A「美味しい！！」


西島「だろ！？一口味見さして！」


なんの躊躇もなく、私の食べかけの


鯖の味噌煮を口に運ぶ西島くん


西島「うまっ！！」


あどけない笑顔にこっちもつられてしまう……


A「西島くんの事、あまりよく知らないから
次まで、ちょっと勉強してくるね」


西島「知らないままで良いよ！」


A「でも、気になるし…」


西島「気にしてくれんだ？なんか嬉しいな！」


A「そ、そう？」


西島「歌、何ならわかるかなぁ〜……
Wake upとかは？」


A「Wake up？」


西島「♪♪〜♪♪〜♪〜ワンピースの主題歌」


A「知ってる！！うちの子供、ワンピース
好きで歌ってるもん！なんかすごい！！」


西島「もっとたくさんあるよ」


A「ほんと有名人なんだね〜今更だけど
びっくり！」

西島「この後、少し時間ある？」


A「…うん…大丈夫だけど」


西島「カラオケ行こうよ！」


A「カラオケ！？でも、プライベートまで
歌いたくないんじゃないの？」


西島「Aさんに俺の事もっと知って欲しい」


A「私は嬉しいけど…」


西島「よし！決まり！」


お会計をさっさと済ませて

カラオケに向かう……もちろん手を繋いで……

A「西島くん、さっきのご飯のお金
払うから」

西島「いいの！いいの！」


A「良くないよ…」

西島「男に恥をかかせないの！」

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