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ため息を一つ吐いて、しょうがないから前方に移動する。こいつ言い出したら聞かないから。
壁一面に貼られた鏡をじっと見つめるAは、いつスイッチが入ったのか、짠になっていた。
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「ど、だった…っ？」
曲が終わると同時に床に倒れてぜぇはぁと必死に酸素を取り込もうとするAは、それでも感想が気になるらしい。
「悪くはない、けど」
「、けど？」
「後半バテ過ぎ」
「っはぁ、うん…」
「疲れたらどっか雑になるじゃん。お前は歌もダンスもカメラ抜かれること多いんだから、すぐ分かる」
「そうなんだけど…この曲とくにしんどくてさぁ…」
「まぁ先生も今までで一番だっつってたしな」
えぇー、と脱力しながら声を上げて、またパタリと床に転がる。
「もう帰んぞ。そんなんじゃまともに一曲も踊れねぇだろ」
「はーい」
もはや歩く力も残ってないのか、ただ面倒なのか。
もぞもぞと芋虫のように自分の荷物のあるところまで床を這っていく姿をぼんやり見ながら、珍しく聞き分けの良い返事に内心ホッとしていた。
放っとけば朝まで練習し続けるこいつは、練習の虫だ。
ジミンもそう呼ばれることがあるけど、こいつ程じゃない。ジミンは自分の限界はちゃんと分かってるし、無理だと思えば休むことだってある。
でもこいつは限界があってもそれを越えようとするし、疲れに気づいても気づかないフリするからタチが悪い。誰かが止めなきゃ止まらない。のに、他の人に気づかせないようにするのが腹立つほど上手い。
そうなってしまったのは無理もないし、俺たちのせいでもあるから。
ジニヒョンが昔言ってた「Aが짠じゃなくてAで居られる場所を俺たちがちゃんと作ってあげなきゃね」って言葉を、俺はずっと忘れられないでいる。
「ユンギ、おでん買ってかえろ〜」
…まぁ復活すんのも早いけど。
こいつの底なし沼の体力は正直怖いくらいだ。
こんなにも気にかけてやってる俺の気持ちも知らないで、おでん食いたいとは呑気な奴め。
まぁ良いけど。
Aは知らなくていい。
俺が、メンバーたちがどれだけ感謝して心配して申し訳なく思ってるかなんて。
「奢んねぇかんな」
「え、なんで！買ってよ〜卵と大根とこんにゃくとー」
…知らなくていいけど、懐事情はちょっと察してほしい。
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りり - シュガの感じが想像通りで好きです。これからもシュガにいっぱい登場してもらいたいな......更新待ってます。 (2018年12月7日 16時) (
レス) id: 750d6a4b81 (このIDを非表示/違反報告)
よしこ - お仕事お疲れさまです。無理なさらないでください。続き楽しみにしています。 (2018年5月24日 10時) (レス) id: 55b0a2347b (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 続き、楽しみにしてます！ (2017年11月14日 19時) (レス) id: 90b0ec537d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：tnk | 作成日時：2017年10月2日 1時
