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*
夢を見た。
大切な人と過ごす幸せな夢。
その人は俺に笑いかけてくれて、抱きしめるとふわりと香る香水の香りはどこか懐かしくて。終わりがくるなんて知りもせずに、ただただ、しあわせだった。
現実なのか夢なのか境界線が分からないところをさまよっている時に、名前を呼ばれた気がした。後ろを振り返ったけど誰もいなくて、気のせいかと前を向いたらそこに彼女はもういなかった。
ほんの一瞬、繋いでた手を離しただけなのに、消えてしまった。
どうして？
どこにいる？
どれだけ走りまわっても、喉が枯れるほど叫んでもどこにもいないことに絶望して、ようやく気づく。
あぁ、そうだ、そうじゃないか。
だって彼女はもう、
「Aっ、」
「っ！！」
飛び起きると、まるでずっと息を止めてたみたいに苦しくて、噎せながら必死に息を吸う。背中を撫でてくれる手に気づいて、ぼやけた視界で顔を上げると、そこにはユンギがいた。
「〜っ、ゆんぎ、」
「うん」
両手を伸ばせば、背中を撫でる手に抱き寄せられた。
ユンギの少し低い体温が安心する。ここにちゃんといるんだって、これは夢じゃないって、そう思えたから。
「ゆん、ゆんぎ、」
「ここにいる」
不安になって何度呼んでもちゃんと返事が返ってくることにも安心した。
「はぁ…ごめん、もうへいき」
「おう」
ぐしゃぐしゃの顔を拭かれて、またベッドに寝かされた。
「熱は？」
「はかってないけど、朝よりはだいじょぶそう」
「飯は？なんか食った？」
「ううん、ずっと寝てたから」
マネヒョンに連れて帰ってきてもらってからずっと寝てた。寝るまではあんなに苦しかったのに、それからは本当に幸せだった。幸せな“夢”だった。
思い出したらまた感情的になってきて。ずっと鼻をすすればユンギが手を握ってくれた。
「はは、めずらしくユンギやさしい」
「お前は泣き虫だな」
「ん…でも、…すごくしあわせだった、」
またあの温もりを感じられたことが、また笑った顔が見れたことが嬉しかった。
「A」
「ん？」
「今は幸せじゃねぇの」
「……ううん、幸せだよ」
握った手に力を込めれば、ユンギからも同じだけ返ってきた。
「ならもう泣くな」
「うん」
「俺らがいるだろ」
「っ、うん…」
そうだね。ごめん、ユンギ。
*
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りり - シュガの感じが想像通りで好きです。これからもシュガにいっぱい登場してもらいたいな......更新待ってます。 (2018年12月7日 16時) (
レス) id: 750d6a4b81 (このIDを非表示/違反報告)
よしこ - お仕事お疲れさまです。無理なさらないでください。続き楽しみにしています。 (2018年5月24日 10時) (レス) id: 55b0a2347b (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 続き、楽しみにしてます！ (2017年11月14日 19時) (レス) id: 90b0ec537d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：tnk | 作成日時：2017年10月2日 1時
