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とあるメイクヌナの話 ページ12

*


ヘアメイクアーティストとしてこの事務所に所属して早数年。
今は新人ボーイズグループ『방탄소년단』の専属ヘアメイク担当として活動している。

専属、ということはつまり付きっきりということ。雑誌や歌番組の収録はもちろん、地方や海外でのコンサートにも駆り出される。
そうやって長い間一緒に過ごすうちにメンバーもみんな慕ってくれるようになった。なんだか年下の弟が出来た感じ。


「ソヨンヌナ〜!」
「はいはい、後で行くから大人しくしてて〜」


控え室は私たちスタッフにとって戦場だ。
賑やかでフリーダムなメンバーを座らせてメイクやヘアセットを施す人、衣装を着せてスタイリングする人…それぞれが自分の仕事をなんとかこなそうと子供たちの相手をする。まさに託児所。
特にクオズと呼ばれる喧しい2人は強者で、落ち着いてじっとしてくれやしない。


「ソヨンヌナ遅い!」
「ごめんごめん、すぐ終わらせるから目閉じてて」
「かっこよくしてね〜」


目は閉じても口は閉じないテヒョンのお喋りは、まるで弾丸のようにあちこちに飛んでいく。
さっきジミナとこんなことをしたんだとか、あのお菓子はイマイチだったとか、そんなどうでもいい話をものすごく楽しそうにするから、周りの人達もつい微笑ましく聞いてしまう。


「はい、目開けて斜め上見て」
「それでね、…あ、ヌナストップ」


アイラインを引こうと顔を近づけると、いきなり止められてそのまま固まる。すると、テヒョンの方からずいっと顔を近づけられて、頬を触られた。な、何事!?!?



「、とれた!まつげついてたー」
「…ありがとう」
「どういたましてー!」


言ってくれたら自分で取るのに、人懐っこいこの子はこういうことを平気で誰にでもする。担当するようになって半年経ったとはいえ、まだ自分にやられると免疫が付いてないのか心拍数が跳ね上がる。


「どういたましてってなに?(笑)」
「う?」


隣で後輩がメイクをしていたAには、一部始終を見られていたらしい。…なんだかいたたまれない。

時々変な言葉を作り出すテヒョンに、Aはいつも可笑しそうに笑って付き合ってあげてる。


「んー、どういたしましてだからどういたまして!こっちの方が言いやすいし!」
「そんな変わんないよ(笑)」


テヒョンがAに夢中になってるうちに、細かいところのメイクを済ませて、軽くパウダーを乗せれば完成。



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りり - シュガの感じが想像通りで好きです。これからもシュガにいっぱい登場してもらいたいな......更新待ってます。 (2018年12月7日 16時) (レス) id: 750d6a4b81 (このIDを非表示/違反報告)
よしこ - お仕事お疲れさまです。無理なさらないでください。続き楽しみにしています。 (2018年5月24日 10時) (レス) id: 55b0a2347b (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 続き、楽しみにしてます! (2017年11月14日 19時) (レス) id: 90b0ec537d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:tnk | 作成日時:2017年10月2日 1時

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