代わりに好きでいよう ページ17
*
練習生の頃から、何かあれば人目のつかない場所に隠れて泣いていたA。
そんなあいつを探して、見つけて、手を引いて宿舎へ連れ帰るのは俺の役目だった。
あちこち探し回って、たどり着いた非常階段。数階登ったところでようやくしゃがみこむAを見つけて、深く息を吐き出した。
「A」
隣に座っても、膝抱えて顔を埋めるAの頭を触っても反応はない。
「なぁ……俺はどうしたらいい」
前にも同じ事聞いたよな。
だけど、見ててほしいってあの時のお前の言葉はもう聞いてやらない。
「お前がそんなだと俺だって辛い。俺だけじゃなくて、メンバーみんなお前のこと心配してるの、お前だって分かってるだろ」
「…うん」
「まだお前のこと見てるしかできねーの」
「……」
「ヌナやマネヒョンには言えても俺には言えねえ？」
「………俺ね、」
「うん」
「毎年思うんだ。今年はきっと大丈夫だって。きっと笑って今日を迎えられるって。でもいつも……やっぱりダメなんだ。こうやって泣いて、過去に縋って、全然前に進めてなくて、薬に頼って、周りにも迷惑ばかりかけて…そんな自分が嫌いだ」
「A」
「もう、自分でもどうしたらいいか分からないんだよ……苦しいよ…生きるの苦しい、」
あまりに苦しい本音にAの肩を抱き寄せた。
そうやってこいつを掴んでないと、消えてしまいそうだった。
「お前が何抱えてんのか知らねえし、聞いても全部理解してやれるとは思ってない。でも、お前が苦しんでるのを見てるくらいならちょっと寄越せ。一緒に持ってやる」
身じろぐAの身体を離すと、真っ赤に目元を腫らしたAと目が合って、ベタベタな頬を拭う。
「お前が自分のこと嫌いだって言うんならその分俺がお前のこと好きでいる。だから諦めんな。俺から離れようとすんな」
「〜っ、ゆんぎ、」
「前に言ったろ。お前いなかったら俺どーすんだよって」
「俺の片割れのくせに俺を捨てるわけ」
「いや、」
「お前がやめるなら俺もやめるに決まってんだろ」
「は、は？！」
「お前はもう俺の人生にもそんだけ深く突っ込んできてんだよ。責任取れ」
「お前なしに俺がここでシュガやれると思うなよバカ」
「優希がいたから俺がいるんだよ。お前は俺で俺はお前だろ」
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いおり - めちゃくちゃ続きが気になります!!ユンギさんと主人公くんのこれから、他のBTSのメンバーと主人公くんのこれから。 更新、待ってます!!! (2021年4月11日 0時) (
レス) id: 0fd6172cb6 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 涙が止まらないっ！ (2019年12月2日 7時) (レス) id: ffcdaa6aff (このIDを非表示/違反報告)
みっく - この小説が大好きです！無理せずに更新頑張ってください！ (2019年6月28日 13時) (レス) id: ee17504488 (このIDを非表示/違反報告)
べくど。(プロフ) - 異常なまでの連勤、お仕事本当にお疲れ様です（ ; ; ）久々の更新に嬉しくなったと同時に心配になりました（ ; ; ）体調崩されてないですか〜TT お話はもういつもどおり最高です！続きが楽しみですがtnk様のペースで更新されてくださいね。大好きです（ ; ; ） (2019年5月6日 23時) (レス) id: 12d34823bd (このIDを非表示/違反報告)
ちむ(プロフ) - 応援してます！！だいすきです！！ (2019年3月18日 23時) (レス) id: 69f87eab73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：tnk | 作成日時：2018年12月16日 16時
