俺たちのPDヌナ！ (ページ35)

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「ヌナってあがり症なの？」
「知らない…知りたくもなかったよこんなこと」

がっくりと項垂れるAヌナに、ジニヒョンは笑ってぽんぽん頭を撫でてあげる。
わ、さすがヒョン！慰め方が大人な男っぽいね！

「大丈夫だよA、俺もまだカムバックする度緊張で吐きそうになるもん」
「…３年目でそれならわたし失神した方がいいのでは…」

…効果はないみたいだけど。

「リハは上手くやれてたじゃん」
「…え！？見てたの？」
「ばっちり！」
「かっこよかったですししょー！」
「～っ！！もうこの子たちやだぁ～っ」

グッとサムズアップするテテとグクを見て、Aヌナは両手で顔を覆ってグズグズ言ってる。でもほんとにリハは上手だったんだけどな。

「だって人いなかったもん…」
「でもちゃんと前見て歌えてたよ？」

普通なら緊張してつい俯きがちになっちゃうんだけど、ヌナはじっと空っぽの客席を見つめて歌ってた。

「…掃除のおばちゃん見てた」
「あぁ…」

おばちゃん、良かったね…おばちゃんに歌ってくれてたんだって…

「大丈夫だって～」
「うぅ…ストレス…おうちかえりたい…」

すっかり弱ってるAヌナ。
なんか既視感あるなーって考えてて思い出した。あの日、路上ライブに連れ出した時と同じ顔してるんだ。

「Aヌナ、大丈夫だよ」
「………」
「ね、目瞑ってあの場所思い出してみて」
「いま？」
「今」
「…なんで？」
「いーから！はい、目ぇ閉じて～」
「……はぁーい」

ぎゅって目をつむるヌナ。なんでか両手も一緒にぎゅーって握ってる。赤ちゃんみたい。
ついニヤニヤしてたら、隣にいるグクに冷たい視線を向けられたから慌てて頬を引き締めた。

…グクだってこっそり写真撮ってるの知ってるんだからな。

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