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*
(ジミンside)
すっかり日付も変わった真夜中。
Aヌナを連れてきたのは、まだまだ賑わってる街中からちょっと道を外れたところ。
人通りも少なくて、煩くない。
人の多いところはあんまり好きじゃないって言ってたAヌナでもここなら大丈夫そう。
何を隠そう、ここは外でゆっくりしたいなぁーっていう時によく来る俺のオススメスポットなのだ！
ベンチにヌナを座らせて、ガチャッとギターケースを開けて取り出したギターを渡す。
そこまで来たら、ようやくヌナも俺が何をさせようとしてるのか分かったらしい。
「ジ、ジミナ」
「歌ってみて、ヌナ」
「なん、なんで…こんな場所、」
「こんな場所だからだよ」
全然分からないって様子のAヌナ。
こんなAヌナ見るの、初めてだからなんか新鮮。迷子の子供みたいでかわいい、なんて言ったら怒るかな？
「ヌナはいつもあの小さな作業室でしか歌わないから分からないかもしれないけどさ。外で歌うのってすんごーっく楽しいんだよ」
ヌナには知ってて欲しいんだ。
俺たちがいつもどんな気持ちでヌナとヒョン達が作った歌を歌ってるか。
それがどんなに幸せなことか。
「Aヌナ」
どうしよう、って顔したヌナに大丈夫だよって笑って俺はヌナの目の前に座る。俺がお客さん役してあげる。ヌナのファン第一号だからね。
「…もう、しょうがないな」
「へへっ」
ギターを構えたヌナがチューニングを始めたのをニヤニヤしながら見る。
とりあえず作戦成功。
あとは、歌い終わる頃にはヌナの悩みが解決してるといいな。
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作者名：tnk | 作成日時：2016年10月16日 22時
