思春期たんじろ恋をする【キメツ学園】

37 ありがとう ページ38

禰豆子side


お兄ちゃんに恋人ができました。
もう本当に私は嬉しくて安心してる。

お兄ちゃんは面倒見がいいし好かれやすいってことは想像できるけど
恋愛をするってなるとまた違うんじゃないかって勝手に思ってた。

お兄ちゃんは誰に対しても優しく接してくれるのがすごくいいところ。
そして一番家族を大切に思っててくれている。
そんなお兄ちゃんにもまた大切な人が一人増えたんだ…。

もしかしたらもしかするとこのAさんをお義姉ちゃんと呼ぶ日が来るかもしれない。
その日が待ち遠しいな…。
私はもう既に彼女に心を開いている方だ。

Aさんのオーラはなんか不思議。
すっと惹き込まれてしまう。
話をしていくと彼女はどうやらあまり女の子と仲良くしたことがないそうで。


「なんか禰豆子ちゃん落ち着いててすごく話しやすいです、炭治郎と似てる…」

「あはは、本当ですか良かった〜！」


私は余ってたパンを机に置く。


「これよかったら食べてくださいね」

「いいんですか！」


Aさんは目をキラキラさせる。
前に買いに来てくださったときもそうだった。
本当にうちのパンを好きでいてくれているのが伝わってくる。


「もちろん、これからはもう言ってくれればいつでも用意します」

「え、そんないいんですか？だってタダですよ？？学校でも炭治郎からよくいただいてたしその分お金で返さないと…」


あたふたと混乱するAさんはかわいらしく見えて
お兄ちゃんが好きになるのも無理はないなと思ってみたり。


「いいんですよ、私たちがそうしたいんです。ね、お兄ちゃん？」


さっきからずっと黙り込んでいたお兄ちゃんに話を振る。


「お兄ちゃん？聞いてる？」


お兄ちゃんはちょっと俯き加減で何か考え込んでるように見える。
何か難しい考え事をしているのかと思っていたら、


「禰豆子とAが仲良くしてくれてて嬉しい……！！」


胸に手を当て表情は満足げな顔で。
涙ぐむまではいかなくてもちょっと感動した話口調。


「もうお兄ちゃんそういうノリやめてよね、恥ずかしいんだから」


こういうときのお兄ちゃんはめんどくさい。
私を妹として大切にしてくれるのは物凄く嬉しいけどここまで言われちゃったら恥ずかしすぎる。
Aちゃんも引いちゃうかもしれないんだから正直気を付けてほしいところ。

でもありがとうお兄ちゃん。
こんなお義姉ちゃんができるって考えただけで嬉しいし幸せだよ。

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