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34 キス ページ35

炭治郎side


「キス、してもいいか」

「えっ?」


俺はやけに浮かれていたのだろうか、何かに動かされたのだろうか。
妙に真剣な顔つきで彼女に迫った。
自分でも心の整理がついていないのにも関わらずに突飛なことを言った。

彼女は小さく「いいよ」と頷いた。
彼女の頬も少しばかりか赤く色づく。

俺は夜道で星の光が少しだけ光る中、身を彼女に寄せる。
自分から積極的にこういうことをするのは慣れてなく体が強張りそうだった。
キスの仕方なんか知らないくせにやけに求めて、何なんだ俺は。

ゆっくりと体を引き寄せそっと手を首元に当てて顔を上げるように促す。
そして俺は目を閉じ唇を運んだ。


「じっとしてて」


それはほんの一瞬で。
柔らかい感触が感じられてそのまま離す。
もっとしたい衝動にかられる。
こんなにもあっという間なのか、すぐに熱は冷めてしまう。

俺は彼女に向き直ると顔を合わせたくないのか少し逸らす。
なんだか初めて彼女に勝った気がした。
別に戦っているわけでも何でもないのだが今回は俺が翻弄できたのではないか。
……なんて思ってみたりして。


「……もう一回」


すると彼女は急にキスをせがむ。
思ってもいない唐突な提案に俺は唖然とする。


「わ、分かった」


また緊張してしまうも二回目だ、なんのその。
思い切って彼女の唇を奪い、今度は長めに擦り合わせるようにキスをする。
ほんの少し唾液が糸を引く。

なんだかすごくいけないことをした気分だ。


「キスなんて初めてした……」

「そ、そうなのか。俺も初めてだ」


急に言葉が拙くなってしまう。
それに俺がAの初めてのキスを奪ったと考えると頭が爆発しそうだった。

ぎこちなくまた歩き始めてようやく彼女の家についた。
学校を出てからあっという間な気がした。


「じゃあね、炭治郎」

「ああ、また学校で」


急にまた友人同士の会話みたいになってしまう。
けれどキスをしたという現実が何よりも驚くべきことで俺はまだパンクしている。
彼女が家の中へ入っていくのを見届けて俺自身も家へと足を進めた。

35 のろけ?→←33 互いの感情



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設定タグ:鬼滅の刃 , 竈門炭治郎 , キメツ学園   
作品ジャンル:恋愛
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琴音 - めちゃくちゃ、キュンキュンしました!ありがとうございました🙇 (2022年4月5日 17時) (レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
ふわむにゃ(プロフ) - chiaki0708さん» 本当に感謝です、指摘いただいてなかったら一生あのままでした…泣 (2021年12月4日 13時) (レス) id: 77e8970457 (このIDを非表示/違反報告)
chiaki0708(プロフ) - 俺の???彼氏???夢主ちゃんおとこ? (2021年12月3日 22時) (レス) @page39 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
ふわむにゃ(プロフ) - りんないさん» コメントありがとうございます…!夢主ちゃんとことん可愛く脚色させて頂きました、私も可愛く生まれたかったです(笑)更新遅めですが頑張らせて頂きます! (2020年6月8日 1時) (レス) id: a6eb1143e2 (このIDを非表示/違反報告)
りんない - 炭治郎がいろいろ困ってるのかわいすぎます…!夢主ちゃんみたいな可愛い子に生まれたかった…更新頑張ってください!! (2020年5月30日 19時) (レス) id: 99e12d5a0b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふわむにゃ | 作成日時:2020年5月21日 2時

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