風が二十四立ちー過去ー ページ25
追いかけたその先で主は消えてしまった
___残されたのは時空転移装置
我らが時間遡行軍と戦う際に用いるこの機械で
主は時間を飛んでしまったらしかった
幸い、飛んだ時代も時間も機械には残されていた
「主ー!」
それを頼りに時代を遡ると、薄暗い森に出てきた
こんな所に、主は一人
遡行軍がいるかもしれないのに危ないじゃないか
しばらく進むと、木の陰に主の姿を見つけた
すすり泣く声が聞こえて、主の肩が小さく揺れる
「......大丈夫。本丸に帰ろう?
見習いなら気にしなくていいよ
誰もそんなこと思ってない、主のことが大好きだからね」
「ごめん、石切丸
でも見習いちゃんは噓つかないよ?
私もと大人げないことをしちゃったし......帰ろっか」
`けど、ちょっと傷ついたかなぁ?`そう言って、主は涙を拭う
やっぱり主は強い、そして誰よりも優しい
ああ、やっぱりあなたが主で良かった
こんな主に出会えた僕たちは、とても幸せだ
時空転移装置の端末をいじり始めた主
「あれ、え......あ、どうしよう」
「どうしたんだい?」
「......本丸とつながらない」
必死にタップするも、時空の歪みは現れない
多分、見習いの彼女が時空転送装置の通信を絶ったのだろう
でも、そんな見習いを主はまだ信じている
___不意に、嫌な気配が走った
「時間遡行、軍」
ゆらゆらと近づいてくる、忌々しい影
主を守らないと
しかし、刀の柄を主が握りしめて`刀はそのままで`と微笑む
「だけど、主......」
「.....ごめんね
少しの間だけあなたを隠すことをどうか、どうか許して」
`このままじゃあ、共倒れだよ。これが最善なの`
`私の過ちにあなたが巻き込まれる必要はないでしょう`
主はまた、優しい
僕が言ったところで、頑固な主はきっと聞いてくれないんだろうね
刀は守るために存在するのに、僕が守られてしまうのかい?
何かが唱えられたのと同時に、僕の体が透けていく
刀身に体が戻っていく
「大丈夫、貴方を優しい審神者がきっと見つけてくれるから
次にあなたが目を覚ますときには、きっと......悪夢は終わってるから」
最後に見えた主は____
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アカネ(プロフ) - 三十九立ちの所で多分「お花」と書こうとしたと思うのですが、「お米」と書いております…!更新頑張って下さい、とても楽しく読んでいます…! (2018年9月8日 17時) (レス) id: e853e23932 (このIDを非表示/違反報告)
悠@ - 露草浅葱#絵描き同盟さん» お忙しい中ご返答ありがとうございます。そうですね、キャラヘイトとは異なる点が幾つかあると思います。それは私の非ですね、すみません。ですが、タグ削除等は行ってほしいとは思っています(タイトルの刀剣乱舞は消さなくても大丈夫です。) (2018年7月26日 13時) (レス) id: c35ccfc481 (このIDを非表示/違反報告)
悠@ - こんばんは、突然すみません。この小説はブラック本丸を元にした作品だとお見受けしました。しかし、ブラック本丸というのはキャラヘイトと言う犯罪になりますので、刀剣乱舞原作に関わるタグをすべて削除するか、小説自体を削除してください。 (2018年7月25日 19時) (レス) id: c35ccfc481 (このIDを非表示/違反報告)
槝 - 一気読みしました。主の正論は自分の事を棚にあげてると思いましたが前に進めている姿は良い。沖田組好きなので加州の話は読み応えあり、彼らが変に罵り合う事なくレア刀が出張る事もなく、刀剣が等しく出ていて大変楽しめた。応援してます。 (2018年7月1日 6時) (携帯から) (レス) id: 46e1741f78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:露草浅葱 | 作成日時:2018年6月30日 14時