【刀剣乱舞】これから、風が吹き始めそうなので 参

風が十八立ち ページ19

「じゃあ......審神者を守る立場はないの？」



「えっと......その......」







声に出ていたようで、大和守が不思議そうな顔をした








「審神者に言っても無駄でしょう」



「一兄!!!!!!!」








短刀らがかたまっていたところから、声が上がる






......もうこの話題は辞めよう、ってすごく言いたい



こういう話はほんと、苦手なんだ









「`救ってもいいですか`なんて、許可を取ったりしないでしょう？薬研



だから..........勝手に救わさせていただきますよ主殿」









もう勝手にしてくれ(白目)




`おお一期一振!!`なんて歓声が聞こえてくるが、私は考えることを放棄した









あ、こんな茶番をしている場合じゃない









彼らだって苦しいはずなのに、ここでの過去を話してくれたから






＿＿＿＿もう逃げずに、彼らに、向き合うと決めたんだ









「折角、皆集まってくれてるし......少し話を聞いてくれる？」




「おはなし、ですか？」








「私、ひどい人間だから......私の過去を無かったことにしようとしてた



皆に知られたら嫌われると思って、ずっと隠していたの





でも隠し通せなかった



食堂でね、`私が人を殺した`っていう事実を知られてしまったから」









その話を知らなかった人もいたらしく、首をかしげる姿も見えた






あーあ、言っちゃったな



まあでも、言う前の自分にはもう戻れないんだ









「その時にね、皆の顔を見るのが怖くなってしまって



出陣の時に使う装置を使って、時間飛んで過去に戻って......本丸から逃げ出したの」









誰も一言も話さず、じっと聞いてくれている



`勝手なことを！`なんて言って、怒ったりしない







やっぱり、また私は`彼らの優しさ`に付け込んでいるのだろうか








......情けないな、私









「だけど、皆はこんな私を責めなかった


本当は怒られると思ってたから、心配されてどうしようもなく嬉しかった




だからこそ、ちゃんと皆に話したいと思った」









こんな話を聞いても、皆は責めないでいてくれるだろうか








話してしまうことで、みんなと離れてしまいそうで



それが、とても怖ったから









......きっと私は、また彼らに甘えている

風が十九吹きー過去ー→←風が十七立ち

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す