【刀剣乱舞】これから、風が吹き始めそうなので 参

風が十二立ち ページ13

ザシュッ＿＿


また、検非違使が消えていく







彼の身のこなしは、相当戦ってきたことを物語っていた



検非違使の血を浴びて、赤く染まっていくその服








「遅い遅い！」








ひゅんっと高く飛び上がり、すぐ切り捨てる




＿＿＿あともう三体









「つ、つる」




「っと、そっちか」








検非違使の振りかざした薙刀に、肩が切られる


鮮血が噴き出してきて、さすがの鶴丸も顔をゆがめた





その瞬間を逃すまいと、更に槍が突っ込んでいく








「いいねぇ…驚かせてもらったぜ…！」







また彼が赤く染まっていく



しかし`予想外だったか？ガラ空きだぜ！`とその槍をすぐ切り捨てた






傷口が痛むのか、少しばかり動きが鈍いように見えた









＿＿＿そんな彼を見逃す検非違使でない









「鶴丸っ、逃げっ......!!!」








鶴丸の死角に突っ込んでいく槍の姿が見えた



驚いたように、鶴丸が私を見る






それから、ふっと笑った








「ははは、なんて顔をしてるんだ」









やだ、やだやだ






また誰かを目の前で失うの？



また苦しい思いをするの？







私は、誰も守れないの？









「っ!!君!!!」



「ごめん、折角かばってもらったのに」









そんなことない



私はもうあの時の私じゃない






自分を犠牲にすれば、あなたが助かることは分かっているんだ







鶴丸の前に躍り出ると、驚いた顔が見えた









「私みたいなのが来て、驚いただろう!!!」




「おい!!!今すぐ逃げろ!!!俺なら大丈夫だ!!!


たとえ折れてしまったとしても、君が鍛刀すればまた本丸に来るから!!!!!!」








もうすぐ、槍が私に突っ込んでくる



でもその痛みはきっと、誰かを失う胸の痛みに比べたら痛くはない







守れるんだ、こんな私でも









「折れても、なんて悲しいこと言わないで


あの本丸の鶴丸国永は変わりなんていない、あなたしかいない」





「っいいから、逃げろ!!!!!!


君がいなくなったらあの本丸は誰が更生させるんだ......」









にっかりとの約束




......無責任な私でごめんね







その瞬間

槍が腹部に突き刺さり、たとえようのない痛みが走った





槍が抜かれ、今度は心の臓を狙われる









「厄落としだ！」






ぶんっ＿＿空気の切れる音がした

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