風が四十四吹き ページ46
「ちょっと、燭台切が心配だね」
「そうですね.......特に彼らは鶴丸さんと関わりのある刀剣ですし」
静かになってしまった部屋の中はよく声が通る
いつも笑顔を絶やさない彼が動揺していた
そのことがやけに鮮明に心に残っている
そうだ
彼らは大分更生されたといえど、過去に大きな傷を持つ
鶴丸が怪我をした
鶴丸がいない
彼らが苦しむのには十分すぎる理由
手が届かないところに、見えないところに相手がいるほど
不安は増してしまうもの
「こんのすけ、ちょっと訪ねてくるよ」
「はい、了解しました」
私も、その不安がよく分かるから
「所で、雲様。もうメールは送りましたか？」
「え？一昨日に.......ってどうしてそんなこと聞くの」
「いえ、返信が来るのは送信日から三日後くらいになるを言ってなかったと思いまして」
「三日後？じゃあ、明日返信が来るのか」
良かった
ちゃんとその日に現代？に帰ることができそうだ
`ありがとう`と呟いてから、審神者部屋を後にした
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「あんた、来たのか」
彼らの部屋についてすぐに部屋に迎えられた
「どうしよう.......どうしよう.......」
燭台切は隅っこにうずくまって、ずっと呟いている
その姿はいつもより一回り小さく見えた
「燭台切、だから言ったんじゃん。頼ってって
.......今だって私を頼ってくれたらいいじゃん!!
いつも周りばっか気にしてさ
そんなのしなくていから、もっと周りを巻き込んでよ
私は、頼ってほしいんだよ、頼られたいんだよ」
顔をあげた彼の瞳が揺らぐ
ずるい、燭台切はずるいよ
頼ってほしいっていつも言うくせに、頼るのが下手くそなんて
「鶴丸は必ず帰って来るし、怪我なんて絶対負ってないから
不安なことがあるなら吐き出してよ
.......私たちが必ず受け止めて見せるから」
「......俺もいる」
しばらくして
`じゃあ、そうしようかな`と困った顔をして彼は笑った
やっと、頼ってくれた
それがやけに嬉しかった
`ありがとう`
そう言った彼の頬を雫がつたった
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月夜桜(プロフ) - 失礼致します、「風が二十九吹き」が非公開となっているようです。 (2018年6月30日 9時) (
レス) id: 02630f3ef1 (このIDを非表示/違反報告)
AKASAN(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみにしてます、頑張ってください！！ (2018年6月29日 13時) (レス) id: 1168bef346 (このIDを非表示/違反報告)
きの(プロフ) - 面白いですね！これからも頑張ってください！あと、方便ではなく、方言ではないでしょうか？間違っていたらすみません。 (2018年6月25日 0時) (レス) id: e253f59a3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露草浅葱 | 作成日時：2018年5月22日 15時
