風が四十一吹き ページ43
「三日月さんが何もしてこないといいのですが......」
私を見上げたこんのすけが、不安そうな顔をする
彼は時の政府から、先ほど帰ってきたばかりである
部屋で休んでても良かったんだけどな
......大丈夫だよ
もしもの時には、この脇差があるから
その意味を込めて、彼を撫でる
「......じゃあ、大広間に入ろっか」
二・三回ノックをしてから襖を開ける
既に全員集まっていて、一気に私に視線が集まった
......ひょっとして、遅刻？
「よく来てくれたな
ふむ......その辺に座ってくれるか？」
座るって、そこ？
あからさまに、空いたスペース
......三日月のすぐそば
`その辺`じゃなくて、`三日月の前`の間違いじゃないの？
ま、いざとなっったら脇差を抜けばどうにかなるか
一回、彼とは剣を交えたことあるし
「分かった。で？話ってなに？」
「......お主は`石切丸`を知っているか？」
疑問に疑問です返すとは......強いなこの人
石切丸？
あ、刀帳で【安否不明】になっていた刀か
折れた......のかな
三日月はそれを直してほしいのだろうか
「刀帳で`安否不明`になってた人のこと？」
「そうか......安否不明になっておるのだな」
「大和守も`安否不明`って表示されてたから、ひょっとしてその人も......」
「いや、`折れた`という訳ではない......初代によって、隠されたのだ」
「は」
隠された......？
つまり、石切丸は今もどこかに隠されたままということ？
初代の審神者も何を考えてそんなことを......
「隠された場所は大体わかるの？」
「いや、全く分からん」
そんなの、どうやって
「その代わり、もし見つけてくれた暁には
そうだな.......俺が一つ、お主の願いを聞こう」
三日月、あなたは何を考えてるんだ
どうして、こんなタイミングでこんな話を？
私への試練、とか？
ああ、もうわからない
.......でも、お願い、か
そうだ、手入れでもさせて貰おうかな
「分かった。探す」
「神との約束は絶対ぞ？」
彼の唇がゆっくりと弧を描いた
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月夜桜(プロフ) - 失礼致します、「風が二十九吹き」が非公開となっているようです。 (2018年6月30日 9時) (
レス) id: 02630f3ef1 (このIDを非表示/違反報告)
AKASAN(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみにしてます、頑張ってください！！ (2018年6月29日 13時) (レス) id: 1168bef346 (このIDを非表示/違反報告)
きの(プロフ) - 面白いですね！これからも頑張ってください！あと、方便ではなく、方言ではないでしょうか？間違っていたらすみません。 (2018年6月25日 0時) (レス) id: e253f59a3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露草浅葱 | 作成日時：2018年5月22日 15時
