風が二十七吹き ページ29
了解！というように、頷いた彼はﾄﾃﾃと歩いて行って
窯？の中に資材を投げ込んだ
そしてこっちに歩いてくると、またジェスチャーをする
.......ごめん、やっぱり何を言ってるか分からない
「２５分後に出来上がるとのことです.......って２５？！」
「何、そんなにすごい時間なの？」
「いえ、あのレシピだったら大抵`２０分or３０分`が出るので
.......あくまで推測ですが、`鍛刀イベント`の刀と思われます」
`手伝い札を使いましょう`という彼に、木の板みたいなのを渡される
えっと、刀匠に渡せばいいのかな？
窯をじっと見つめていた彼に近づいて、渡すと頷かれた
すると、瞬く間に刀が出来上がり
`受け取れ`というふうに、刀が私に押し付けられた
大きさからして、短刀のように見える
「ほう、粟田口の刀ですか」
覗き込んだこんのすけが、`顕現しましょう`と促す
顕現.......って、あの時の大和守みたいな感じのやつだろうか
あの時はたしか
集中して集めたものを、一気に放出するイメージ、だっけ
「俺、信濃藤四郎。藤四郎兄弟の中でも秘蔵っ子だよ」
はらはらと舞う桜の中に現れたのは、一人の少年
燃えるような鮮やかな深紅の髪をゆらして、くりくりした目を人懐っこそうに細める
少し気になったのは、彼の服装
軍服のようなそれはまるで
「.......や、薬研」
「そっかー、やっぱりもう薬研は顕現されてるんだ
薬研は俺の兄弟だよ.......兄弟共々よろしくね、大将」
「雲様！信濃さんに、この本丸のことを説明しましょう」
顕現されたばかりだけど
ちゃんと説明しないといけないんだ
彼もこの本丸で生きていく、一人
きょとん、と首をかしげる彼に説明していく
この本丸が他の本丸と異なること
私はこの本丸の審神者三代目で、就任して間もないこと
彼らが過去に囚われたままで、今も傷ついていること
「兄弟のことが心配になっちゃうね
ねえ大将、兄弟に会いに行きたいんだけどいい？」
断る理由なんて見つからないよ
「私も行きたい」
薬研のこと、あなたのこと、ちゃんと知りたいから
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月夜桜(プロフ) - 失礼致します、「風が二十九吹き」が非公開となっているようです。 (2018年6月30日 9時) (
レス) id: 02630f3ef1 (このIDを非表示/違反報告)
AKASAN(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみにしてます、頑張ってください！！ (2018年6月29日 13時) (レス) id: 1168bef346 (このIDを非表示/違反報告)
きの(プロフ) - 面白いですね！これからも頑張ってください！あと、方便ではなく、方言ではないでしょうか？間違っていたらすみません。 (2018年6月25日 0時) (レス) id: e253f59a3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露草浅葱 | 作成日時：2018年5月22日 15時
