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風が一吹き ページ2








次の日








午前六時ぐらいに、目が覚めた





近侍である小狐丸が部屋に来る前に


脇差を携え、急いで外に出る






`ぬしさま、小狐もお供しますから`




そう言ってくれたことはとても嬉しいのだが、彼は昨日お風呂掃除をしてくれている


なのに、これ以上何を頼むことができようか









この本丸は随分と造りが複雑で、迷いそうになるものの


昨日の記憶を頼りになんとか歩いて行く





....道中、霊力を込めて本丸を浄化しながら









しばらく進むと、加州の部屋の前についた


やっぱり、気配はない







「加州、いる?今日も来たんだけど....」



「....また来たの?もういい加減にしてよね」




「でも、手入れを」








そういうと、僅かに戸が開いて


赤い目がぎろりと睨んだ







「要らないって言ったじゃん!


大体、人間は勝手に期待させて、勝手に裏切るんでしょ?!俺知ってるんだから!!」




「過去なら和泉守から聞いたよ」







そのとたん、静かになる加州







「このままでいいから聞いてよ」



「あんたなんかに、分かるわけっ!!」







かっとなったようで、襖から食いつくように彼は顔を出した


結構、至近距離にいた彼の白い肌には無数の傷があった







「あ。」



「昨日、加州はたしか

`俺みたいな刀なんて手入れする必要もないでしょ?`って言ったよね」






部屋の中に戻ろうとする彼の腕を掴み、引き付ける


私の手から逃れようと、加州が必死にもがく





___私だって、必死だよ









「俺みたいな?....笑わせないでよ!!!!


聞いたところによると、あんたは大和守に守られてるらしいじゃん!!!!!」



「っ?!」








声を張り上げた私にビビったのか、彼が固まる


けど、私は気づかぬふりして続ける









___大切なことを、彼に気づかせないといけないから

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月夜桜(プロフ) - 失礼致します、「風が二十九吹き」が非公開となっているようです。 (2018年6月30日 9時) (レス) id: 02630f3ef1 (このIDを非表示/違反報告)
AKASAN(プロフ) - とても面白いです!更新楽しみにしてます、頑張ってください!! (2018年6月29日 13時) (レス) id: 1168bef346 (このIDを非表示/違反報告)
きの(プロフ) - 面白いですね!これからも頑張ってください!あと、方便ではなく、方言ではないでしょうか?間違っていたらすみません。 (2018年6月25日 0時) (レス) id: e253f59a3b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:露草浅葱 | 作成日時:2018年5月22日 15時

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