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風が七筋 ページ8

「、、、こんのすけ、ちょっとどけて?」




「、、、っで、ですが!」







お願い、とこんのすけの目を見つめてみたが


動いてくれないでいた








「ブラック本丸の恐ろしさをまだ、雲様は分かっておられません




雲様があちらの刀剣男士、和泉守様と戦うことで


その騒ぎを聞きつけた他の刀剣男士の皆様にも囲まれてしまいます




この本丸の刀剣男士は皆一様に、人間つまり審神者様を嫌っておいでです






、、、その意味、雲様ならご存知と思います」









すっ、と細められたこんのすけの目に捕らえられ



ここが普通の剣道のけいこ場でなく、命の狙われるところであることに






はっとした





そうだ、今戦っても







「、、、こんのすけ、ありがとう」







握っていた柄を持ち直し、左手に持っていた鞘に刀身を収めた





カチャ


こぎみのいい音をたてて収まった脇差から、視線を対峙していた彼らに向ける







「、、、お前、逃げるのか?」




「いいえ、逃げたりしないから、安心して?


今は一時退散するから、また今度会ったときにでも、、ね」






私を殺せなかったからか、不安そうに緑の目を揺らしていた彼から


目をそらし、こんのすけと共にその場を後にした



















「ね、兼さん


さっきの審神者、今までとは違う人間に見えたよ?」







どうしてだろうね、と青い瞳で見上げる少年







「、、、、人間は皆同じなんだよ


前任を覚えてるか?最初はいい人な風で俺らも信じかけた


だけどそいつは清光の前で、安定を折った




いずれ、あの女も化けの皮を剝がして俺らをあざ笑うんだろうな」






「そうかもしれないね、、、でも、兼さん

その選択で本当に僕らは幸せになれるのかな?」







わかんねえ、と彼はつぶやくと


刀身を鞘に納めながら、少年と一緒に屋敷に入っていった

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作者名:露草浅葱 | 作成日時:2018年2月19日 12時

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